白雪姫の義弟

(しらゆきひめのぎてい)
初演日:0/0 作者:
白雪姫の義弟

〈登場人物〉
【最低五人で出来る舞台ですが、白雪・銀露をそれぞれ幼少期・青年期に分ける 狩人と樵を別人が演じることで、八人に増やすこともできます】

白雪姫
銀露の皇子(ぎんつゆのみこ)

狩人/樵(きこり)
国王

序章「銀露の生い立ち」

【白雪、舞台端に登場。スポット】

白雪「(語り部のように)昔、ある冬のさなかのこと、雪が烏の羽のように空から降っているとき、とある国のお妃様が黒檀の窓枠のある窓辺に座って縫い物をしていました。縫い物をしながら雪のほうを見たとき、針を指にさして、血が三滴雪の中へ落ちました。真っ白い雪の中の赤い血が、とても美しかったので、お妃様はこう思いました。「この雪のように白く、この血のように赤く、この窓枠のように黒い子どもがいたらいいのに!」…それからまもなく、お妃様は、女の子を産みました。その子は、雪のように白く透き通った肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪をしていたので、白雪姫と名付けられました。子どもが生まれると、お妃様はすぐに亡くなってしまいました」

【妃、銀露を手を引いて、白雪と反対側に登場。スポット】

白雪「一年たつと、王様は、新しいお妃をもらいました。新しいお妃は、白雪姫と一つ歳の離れた息子を連れて嫁いできました。その息子が後の白雪姫の義弟「銀露の皇子」なのでした。白雪姫と銀露の皇子は、血が繋がっていないにも関わらず、とても仲睦ましい姉弟になりました」

暗転

第一章「妃の銀露」

銀露「(声のみ)わあ、きれいなお花がいっぱい!すごいなあ…あれ?姉上、何つくってるの?」
白雪「(声のみ)花かざりよ。すてきでしょう?
銀露「(声のみ)わあ、姉上すごい!」
白雪「(声のみ)はい、これは銀露の分よ」
銀露「(声のみ)僕にくれるの?ありがとう姉上!」
二人「(笑い合う)」

明転

【妃の部屋】

 妃「銀露や、私の可愛い銀露や。どこにいるんだい?」
銀露「(登場。頭に花飾りを付けている)はい、母上!」
 妃「まあ銀露、何を頭に付けているんだい?」
銀露「これ?姉上がくれたんです」
 妃「…白雪が?」
銀露「はい!姉上が僕のためにつくってくれた花かざりです!」
 妃「…銀露、今すぐそれを取っておくれ」
銀露「え、でもせっかく姉上がくれたのに…」
 妃「私はその花に寄るとクシャミが止まらなくなるんだよ。良い子だから、お取り」
銀露「(花飾りを置く)」
 妃「そう、良い子だね。さあ銀露。いつもの言葉を聞かせて頂戴。この世で一番綺麗な女の人は誰だい?」
銀露「…姉上!」
 妃「な、何ですって?!…もう一度言ってごらん?」
銀露「姉上。姉上がいちばんキレイ」
 妃「い、いつもは母上が一番と答えてくれるのに。どうして?どうして白雪なの?」
銀露「何でだろう…?母上もキレイだよ。でも、姉上はもっとキレイな気がするんだ」
 妃「何かの間違いよ銀露。よく見て御覧なさい。私の方が綺麗なはずよ!」
銀露「何回見たって同じだよ、母上。姉上がいちばんキレイ」
 妃「…」
銀露「姉上が待ってるからもう行くね(退場)」
 妃「…そんな、銀露が私の言うことを聞かなくなるなんて。(銀露の置いていった花飾りを握りつぶす)…おのれ白雪。私の可愛い銀露に何を吹き込んだんだい?まだ年端もいかない小娘め。私を差し置いて銀露に愛されるなんて許せないわ!(手をたたいて)ちょっと、誰かいないのかい!」
狩人「(登場)お呼びでしょうか、王妃様」
 妃「おお、其方は弓の名手、狩人ではないか。其方の業績はよく聞いているよ」
狩人「ははっ、有難きお言葉」
 妃「その腕を見込んでの命令よ。白雪姫を始末してしまいなさい!」
狩人「…え?王妃様、始末とは一体…?」
 妃「殺すのよ。あの子を殺せと言っているの!」
狩人「な、何をおっしゃるんですか!王妃様、よくお考え下さい。白雪姫は貴女のお子様ですよ?それを殺せだなんて…」
 妃「私の子供は血の繋がった可愛い銀露だけ。あんな小娘、死んでもなんとも思わないわ」
狩人「…し、しかし、このことが国王様に知られては私も王妃様も…」
 妃「あの人なら隣国で行われている会議に出席しているから、当分帰ってこないでしょうよ。事故とでも何とでもごまかせるわ」
狩人「しかし、だからといって…」
 妃「まだ口答えするのかい?これ以上逆らうなら、今ここで其方を殺してやってもいいんだよ?」
狩人「…分かりました、王妃様。白雪姫を始末してまいります」
 妃「よろしい。さあ、お行き!!!」
狩人「はっ!(退場)」
 妃「…ああ、私の可愛い銀露。これでお前は私のもの!そして…次の王権は私たちのものよ!ホホホホホホホホ…!」

暗転

第二章「白雪、去る」

明転

【城の庭園】

白雪「(花を摘んでいる)」
銀露「(登場)姉上、お待たせ!」
白雪「あら銀露、おかえりなさい!見て、さっきの花でこんどは首かざりをつくったのよ!」
銀露「あ…姉上。その花は使わないでほしいな」
白雪「あら、どうして?」
銀露「母上がその花に近づくとクシャミが止まらなくなるって」

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