ヒカルのトラブル

(ひかるのとらぶる)
初演日:2015/10 作者:田中 晃・呉港高校演劇部
『ヒカルのトラブル』

CAST
ヒカル … 明るい性格だがトラブルメーカー
ユウジ … 割と大人しい性格。
占師  … ある組織に追われている?人物
ボス  … 一見ボスらしくないボス
部下  … ボスの部下。割としっかりもの?
友1〜3 … ヒカルの友達


第一場

 教室の中
 ヒカルを中心に騒いでいる数名(上手)と,本を読んでいるユウジ(下手)。
 ユウジは明らかにヒカルの集団にいら立っている。
 ヒカル,騒いでいるときに,うっかり窓を割ってしまう。

ヒカル   うわっ!…やばっ。
友1   おい,何やってんだよ。
友2   ヒカル,大丈夫か?
ヒカル   俺は大丈夫だけど…。
友3   おい,ちょっと切れてんじゃねえか。
ヒカル   あ,ほんとだ。ま,大した事ねえし。
友1   一応保健室行っとけよ。俺,先生に言ってくる。

 友1,上手にはける。

友2   おい,ユウジ,お前保健委員だろ,ヒカルに付き添えよ。

 ユウジ,いらいらしているが,無言で立ち上がり,集団の方へ行く。

友3   なんだよ,その態度。
ヒカル   別に付き添いなんてなくてもいっけど。
友2   ま,行ってこいよ。

 ヒカル,ユウジも教室から出る(上手側)。
 友2と友3も話をしながら退室。
 二人とも無言。ヒカルが前を歩いている。

ヒカル   …不服なら,教室戻れよ。
ユウジ   …行かなかったら,担任になんか言われるから。
ヒカル   (振り返りながら)俺が断ったっていえばいいだ…えっ?

 ヒカル,階段から足を踏み外す。
 ユウジ,とっさに,かばおうとして手をつかもうとするが,つかめず,はずみで一緒に落ちる。

ユウジ   うわっ。

 二人とも気を失ったようだ。
 夢の中?のような世界。
 ヒカル(上手側),ユウジ(下手側),それぞれ何か言い争っている。

ヒカル   いや,ちょっとまって。わざとじゃないんだって。誤解だよ。/そんなこと言ってないじゃん。こっち見てなんか言ってただろって,そんなこと言われても。/え!?痴漢?俺離れたところにいたじゃん,何で俺ってことになるの?/おい,何で急に態度変えるんだよ。
ユウジ   うるさいな!静かにしろよ!/なんでこんなにやってんのに,成績あがらないんだよ!/将来のことなんて分かんねえよ。/ほっとけって。関係ないだろ。/

 ヒカル,ユウジ,その場から逃げだす。
 互いは見えていないようだ。
 車の音。ヒカルに車が近づく。
 ユウジは足元が崩れるようなイメージ。

二人   うわあああああ!

ヒカル   (がばっと起きて)うわっ。
友1   (ヒカルに)わっ。起きた!
友2   (ヒカルに)大丈夫か?

 ユウジも,ヒカルと同時に目を覚ます。
 ヒカルの周りには友達が集まっている。

ヒカル   (まだ,認識してないようだ)ここは…
友3   保健室だよ。
ヒカル   保健室?
友1   階段から落ちて,気を失ったんだよ。
ヒカル   ああ…。
友2   しっかしお前トラブル続きだな。
友3   ガラス割った直後に階段から落ちるとか。
友1   この前は車にはねられたし。
友2   痴漢に間違えられたりな。
友3   わざとか?
ヒカル   そんなわけないだろ!
友1   そりゃそうだろうけど,それにしてもな。
友2   いつかもっと大事(おおごと)になるな。
ヒカル   ちょ,やめろよ,そういうこと言うの。
4人   (笑う。ヒカルはちょっと苦笑気味?)

 ユウジ,状況を把握し,無言で去ろうとする。

友3   お,お前も起きてたんか。

 ユウジ,無言のまま下手に去る。

ヒカル   なんだ?あいつ。
友1   お前と一緒に階段落ちたんだよ。
ヒカル   あ,そういえば…。
友2   ま,大丈夫そうだからいいんじゃね。
友3   それにしても,あいつ,ほんと何考えてんのか分かんないよな。
友1   そうそう。

 ユウジ,本がないことに気づき戻ってきて,ドアのところで立ち止まる。

友2   クラスでもなんか浮いてるし。
ヒカル   …そうだな。
友3   けどあいつの成績って割と上の方だよな。
友1   っつってもあんだけ本読んだり勉強してりゃ,もっと上でもいいんじゃね?
友2   ちゃっちゃとやることやってっけど,面白くないっつうか?
友3   いっつもイライラしてるよな。
友1   だよな!
友2   やっぱそう思ってたんか。
ヒカル   ま,あいつのことなんていいじゃん。俺も大丈夫だから,戻ろうぜ。
友3   そだな。
友1   よっしゃ。
友2   はやく,昼飯食わないと,時間なくなるぞ。

 4人,「腹減った」「食堂行こう」など言いながら下手に去ろうとする。
 ユウジ,隠れる。
 4人,ユウジに気づかずそのまま下手に去る。

ユウジ   …くそっ。

 ユウジ,再び下手に去る。

第二場

 夕方(下校時刻くらい),人気(ひとけ)のない場所。
 下手前で,二人組の怪しい男たちが話をしている。
 どうやら人を探しているらしい。

部下   ボス,こっちにもいませんでした。
ボス   そうか。
部下   どこ行ったんですかね・・・。
ボス   知らん。
部下   話には聞いてますけど,どんな男なんですか?
ボス   あれは3年前,
部下   え?
ボス   お前が私のもとに来る前,
部下   はあ
ボス   私には違う部下がいた。
部下   そうでしょうね。
ボス   しかし,不慮の事故で気を病んで辞めてしまった。
部下   …何があったんですか…?
ボス   Piiリモコンが頭に当たって…。
部下   精神弱いですね!
ボス   私が当てたんだけど…。
部下   で,そのことと探している男とどう関係が?
ボス   何もないんだ。
部下   そうだと思いましたよ!…それは置いといて,今やってること,意味あるんですかね。
ボス   どういうことだ。
部下   こんなこと続けてて,本当に大丈夫なのかと…。
ボス   仕方ないだろう。(上を指さして)あの方からの指令だからな。
部下   そうですね。…とにかく,私はあっちを探してきます。
ボス   うむ。

 ボスは下手奥に,部下は上手奥に去る。

 ヒカル,下手前より入ってくる。
 少しイライラしているような,それでいて落ち込んでいるような雰囲気。

ヒカル   …はあ。

 そこへ,怪しい(?)男(占師)が後ろを気にしながら上手前から走ってきて,ヒカルとぶつかる。
 二人ともこける。

ヒカル   …いてて…。
占師   ごめん!
ヒカル   いえ。
占師   ちょっと急いでて…。怪我は?
ヒカル   大丈夫っす。
占師   悪かったね。

 占師,男の顔を一瞬みて止まる。

ヒカル   …?

 占師,すぐに慌てて立ち上がる。

占師   じゃあね!

 占師,下手に去ろうとする。去る直前,もう一度一瞬ヒカルの方を振り返る。
 が,そのまま走り去る。
 ヒカルも,遅れて立ち上がり,上手奥に去る。
 去る少し前にユウジが下手から表れ,ヒカルの姿を確認する。

ユウジ   あれは…。

 そこへ,部下が入ってくる。

部下   そこの人!今ここにいた人どっちいった?
ユウジ   どうか…したんですか?
部下   ちょっと用事があってね。
ユウジ   え…。…あっち(上手奥・ヒカルが去った方)に行きましたけど。
部下   どーも。

 部下,走り去る。

 ユウジ,部下が去った方を見て,追いかけるように上手奥にはける。
 ヒカル,再び上手前から登場
 そこに部下がやってくる。

部下   いた!
ヒカル   え?

 部下,ヒカルを捕まえようとする。
 ヒカル,避ける。

ヒカル   何!一体!
部下   問答無用!

 ヒカル,逃げている途中でつまずく。

ヒカル   まじか。

 ヒカル,こけた拍子に,部下につかまり,何かを嗅がされ気を失う。
 部下,ヒカルが意識を失ったことを確認した後,下手にひきずっていく。
 ユウジ,上手前より登場。ひきずられていくヒカルを目撃。

ユウジ   は? い…今の…は…?

 ユウジ,あせる。
 そこに占師が上手前より登場。

占師   ちょっと!
ユウジ   うわっ。
占師   聞きたいことがあるんだけど。

 ユウジ,下手へ逃げようとする。

占師   ちょっと待って!

 ユウジ,止まる。が,まだ警戒している。

ユウジ   ・・・。
占師   今の,知り合い?
ユウジ   え?
占師   連れていかれた方(ほう)。
ユウジ   え,あ,はい。
占師   やっぱりか〜。
ユウジ   な,なんなんですか。
占師   ごめん!
ユウジ   は?
占師   多分,彼が連れて行かれたのは勘違いだ…。
ユウジ   え,じゃあ・・・。
占師   俺が追われてたのに…。
ユウジ   え?・・と,とりあえず,警察を。
占師   警察!?警察はちょっと・・・。
ユウジ   ・・・。
占師   ・・・。

 ユウジ,下手へダッシュで逃げようとする。
 が,下手より部下登場で止められる。
 占師,部下の姿を確認し,そろそろと逃げる素振り。

部下   違うじゃないか。
ユウジ   え?
部下   さっき,教えてくれた人,違う人だったんだけど。
ユウジ   いや,別に僕のせいじゃ…。…あっ!

 ユウジ,占師の方を振り返る。
 逃げようとしていた占師,ユウジと目が合い一瞬止まる。
 が,その後ダッシュで上手へ。


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