ブーケトス全日本チャンピョン
『ブーケトス全日本チャンピョン』
※結婚式披露宴の余興として上演しました。

【配役】4人(男2女2)
・男 :ツッコミ。身長が高い。
・女 :結婚にあこがれる。身長が低い。
・師匠:女。ブーケトスのすごい人。
・敵 :男。両手はロボットアーム。

【上演時間】約10分

女 「明日はいよいよ○○さんの結婚式かー」
男 「そうだね」
女 「あー、いいなー、結婚かー」
男 「え、結婚とか、憧れるの?」
女 「そりゃそうだよー」
男 「だったら、その、ぼくと、」
女 「あー、結婚式っていったら、ブーケトスもあるのかな?」
男 「あ、あるんじゃない?」
女 「ブーケとったら、次に結婚できるんだよね。よーし、頑張って、とらないと!」
男 「そ、そんなに結婚したいの?」
女 「そりゃそうだよー」
男 「だったら、その、ぼくと、」

師匠「甘い! そんな甘い考えでブーケが取れると思っているの?!」
(師匠、客席(自分の席)からステージへ登場)

男 「え、ど、どなたですか?」
師匠「とれたらいいなー程度の気持ちじゃ決して届かないよ。ブーケにも、幸せにも、ね」
男 「は、はあ……」
女 「あー、あなたは、まさか!」
男 「知ってるの?」
女 「ブーケトス全日本チャンピョンじゃないですか!?」
男 「全日本チャンピョンとかあるの!? ブーケトスに!?」
師匠「あなたたち、明日、ブーケトスの試合に招待されてるみたいね」
男 「いや、招待されてるのは結婚式」
師匠「似たようなものよ! どう? ブーケが欲しければ、私のもとで修業してみない?」
女 「します!」
男 「するの!?」
女 「すごくラッキーなことなんだよ! ブーケトス七段に指導してもらえるなんて!」
男 「七段とかあるの!? ブーケトスに!
   ……あれ? あなたの顔、どこかで見たような……
   あー、もしかして、あなた、バレーボールでオリンピックに出てた!」
女 「オリン、ピッ、ク??」
男 「なんでそっちは知らないんだよ! すごい有名人だよ!
   こんなとこで何やってるんですか! バレーは?」
師匠「バレーはもうやめた」
男 「なんで?」
師匠「あんなもの、続けていても結婚できないの!」
男 「はあ?」
師匠「出会いがないの? なんで男子バレーと女子バレーで別れているの? 一緒でいいでしょ!」
男 「そんなのぼくに言われても……」
師匠「そんなとき、ブーケの伝説をきいたの。結婚式のブーケをとったら次に結婚できる。
   これだと思い……バレーボールは引退した」
男 「馬鹿じゃないですか!?」
師匠「それからはブーケ一筋。毎日毎日、山籠もりをして、ずっと一人でジャンプとキャッチの練習をしてきた。これもすべては……結婚するため」
男 「どんどん結婚から遠ざかってませんか?」
女 「素敵です! 松崎さん……いえ、師匠!」
師匠「私の特訓を受けてくれるの?」
女 「はい! 師匠の思いは私が受け継ぎます! 明日の試合、必ずブーケをとってみせます」
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