銀河鉄道の眠り姫

(ぎんがてつどうのねむりひめ)
初演日:0/0 作者:のら
銀河鉄道の眠り姫』

キャスト
 *ソーニャ(女)
  *なつめ(男)
  *母(女)
  *すぐり(男)
  *かずら(女)

 暗転のまま舞台端にピンスポ

すぐり「今日も暑いなあ。ねえ、かずらは暑くない?」

かずら「馬鹿じゃないの、暑いに決まってるじゃない。・・・そもそも、なんでこんな

真夏の真っ昼間から、建物の外にいる羽目になってるの」

すぐり「だよねぇ。暑いし、蝉はうるさいし・・・」

かずら「だから何でって聞いてるんだけど」

すぐり「だってアイツがまだ来てないじゃん?」

かずら「アイツって・・・すぐり、あなた馬鹿?それとも暑さにやられた?

    だったら病院に行った方がいいんじゃない?精神科とか」

すぐり「・・・ねえかずら、熱中症で精神科はおかしいんじゃないかな?

    あ、もしかしてかずらも熱中症?だったら飲みもの買ってこようか?」

かずら「あのね、すぐり。私はあなたを全力で馬鹿にしてるんだけど。嫌味に

    気が付かないってどこまで馬鹿なわけ?・・・しかも、今日は絶対に

    アイツはここに来るわけがないんだから」

すぐり「え、あ・・・そっか。もうそういう時期か」

かずら「そういうこと。アイツも毎年毎年飽きないわよね」

すぐり「無理もないって。アイツは鈍いから、自分自身じゃ理解してないだろうけど」

かずら「ほんと、鈍い。今度アイツの顔に鈍感野郎って落書きしてやる」

すぐり「・・・それは、止めといた方がいいんじゃない?」

 ピンスポFO
 すぐりとかずら、はける。ソーニャ入ってくる
 明転
 ソーニャ、本を読んでいる。なつめが入ってくるが気が付かない

なつめ「何だ、今日は寝てないんだ」

ソニャ「え!あ、なつめさん!久方ぶりです!」

なつめ「どこで覚えたの、そんな妙な言い回し。・・・久しぶり」

ソニャ「一年ぶりです。元気そうでなによりです」

なつめ「君は相変わらず無駄に元気だよね。一年たったのに成長してない」

ソニャ「・・・なつめさんってば、相変わらず失礼極まりないのです!

ソーニャだって、ちょっとくらい背は伸びました。一ミリくらい・・・」

なつめ「それを成長してないっていうんだよ。おチビさん」

ソニャ「なつめさんはデリカシーという言葉を調べるべきです!」

なつめ「そうやってむきになる所も成長してないよね、君。おチビって言うよりお子様。

    だいたい君さぁ、何でこんな所にいるわけ。馬鹿じゃないの」

ソニャ「だって夏の初めはここにいたら、毎年毎年なつめさんが会いに来てくれ、いたっ」

 ソーニャ、なつめに叩かれる

なつめ「だから馬鹿じゃないのって言ってるんだよ。僕が会いに来る保証もないのに

    毎年毎年炎天下の中で人のこと待ってるだなんて」

ソニャ「でもなつめさん、会いに来てくれてます・・・」

なつめ「そりゃあ放っておいたら君が何時間でも何日でもここにいるから、

    僕は仕方なく会いに来てあげてるんだよ」

ソニャ「・・・何だかひど言い草です」

なつめ「・・・君、自分の病気わかってるわけ。ちゃんと理解してないでしょ。

    ナルコレプシーだってこと」

ソニャ「わかってます!睡眠障害で、場所とか時間とか関係なくいきなり眠っちゃう。

    だからソーニャは学校では怠け者って言われてて、それで!」

なつめ「あのさ、僕は君が向こうの学校でなんて言われてようがどうでもいいんだけど。

    僕が言いたいのは君が今ここで眠りこけたらどうするのかってこと」

ソニャ「今、ここで・・・?」

なつめ「今は僕が来てるからいいけど、もし僕が来れなかったら?」

ソニャ「ちょっとそれは寂しいのです」

なつめ「そういう気持ちの問題じゃなくて。もし僕が来れなかった場合、キミが眠っても

    君を助ける奴はいないってことだよ。こんな炎天下の中ずっと

    眠り続けてたら、それこそ熱中症で死ぬことだってあるんだ」

ソニャ「・・・・・・」

なつめ「だいたい君はそういうとこに無頓着で・・・何」

ソニャ「なつめさんは、やっぱり優しい人です!ソーニャはなつめさんの、

    そういうところが大好きです!」

なつめ「・・・僕は君のそういう所が嫌いだ」

ソニャ「なつめさんは、もっと素直になるべきです」

なつめ「はいはい。それ聞きあきた。・・・それで?今年はいつまでいるの。

    いつもと同じで夏休みの間いっぱい滞在するのは変わらないわけ?」

ソニャ「・・・・・・」

なつめ「・・・ちょっと、人の話聞いて・・・寝るなよ。馬鹿」

 半暗転、明転

ソニャ「・・・ん、ふあぁ・・・よく寝ました」

なつめ「あっそ。人をまくら代わりにしといてお礼も無し?

    わざわざ木陰に運んでやったっていうのに」

ソニャ『・・・ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます(英語など)』

なつめ「まあいいけど」

ソニャ「あ、それソーニャが読んでた本ですか?」

なつめ「暇だったからね。けど久々に読んだよ。銀河鉄道の夜。読書感想文以来だ」

ソニャ「言葉のお勉強のために買いました。まだ読み終わってないので

    結末言っちゃダメですよ?」

なつめ「犯人はカムパネルラだよ」

ソニャ「ああああ何で言っちゃうんですか!」

なつめ「嘘に決まってるじゃない。これ推理小説じゃないんだから」

ソニャ「・・・ごくあくひどうなのです・・・」

なつめ「馬鹿言ってないで、帰るよ。ほら送るから」


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