ロマンスとキマイラ

(ろまんすときまいら)
初演日:0/0 作者:フジカワミユウ
■登場人物
 ゴトウ  /後藤幹泰(ごとう・みきやす)
 マツシマ  /松嶋十郎太(まつしま・じゅうろうた)
 エージ  /小杉映士(こすぎ・えいじ)
 カナタ  /飯田かなた(いいだ・かなた)
 カンナ  /城崎環奈(きざき・かんな)
 ヒトミ  /大倉瞳(おおくら・ひとみ)
 サキ       /降沢小姫(ふるさわ・さき)
 クルメ  /久留米善子(くるめ・よしこ)

 アンゴ  /城崎安伍(きざき・あんご)










    夕暮れの教室。アンゴ以外が集まっている。
    下手にホワイトボード、上手にはブラインドでできた仕切りが置かれている。
    サキとヒトミは仕切りの奥にいるゴトウに化粧を施している。

ゴトウ       …なあ。
サキ       なに?
ゴトウ       終わった?
ヒトミ       もうちょっとだよ。
ゴトウ       ほんとか?
ヒトミ       ほんとだよ。
ゴトウ       ほんとのほんとか?
ヒトミ       ほんとのほんとだよ。
ゴトウ       ほんとのほんとにほんとか?
サキ       しつこいわね。ほんとだって言ってるでしょ?
ゴトウ       あーあーさいですか。
サキ       何が言いたいのよ。
ゴトウ       いいや?
マツシマ  うざい男はモテないぞ、ゴトウ。
ゴトウ       …だってよお、「すぐに終わるから〜」って言われてここに座ってから、
        もう1時間も経ってるんだぜ?文句のひとつも言わせてくれよ。
マツシマ  待たされてるのはこっちも一緒だよ。我慢しろよな。
ゴトウ       一緒じゃねえよ。なんで俺だけこんな目に遭わなくちゃいけないんだ。
ヒトミ       だ、大丈夫だよゴトウくん。すっごく似合ってるから!
ゴトウ       そういう問題じゃなくて。
マツシマ  本当にしつこいなあお前。恨むならあの時チョキを出した自分自身を恨めよ。
ゴトウ       大体、重要な役割をじゃんけんで決めること自体おかしいだろ。
        おいエージ!お前に言ってるんだぞ!
エージ       え、俺?
ゴトウ       主催者だろお前。お前がやれよ。
カンナ       駄目だよ、エージは司令塔だもん。
ゴトウ       じゃあカンナがやれよ。
エージ       ダメダメダメ!!女の子に危ないことさせられるかよ!!
カンナ       エージかっこいい〜!
エージ       いやあ、とんでもなすび。
ゴトウ       こんのバカップルが……。
クルメ       でもエージくん、こんなに時間かけて大丈夫なの?もう5時過ぎたわよ。
エージ       ああ、大丈夫大丈夫。
クルメ       ならいいんだけど。
ゴトウ       そもそも何なんだよこれ。なんの意味があってこんなことさせられてるんだ、俺は?
カナタ       ああ、そろそろ教えてくれてもいいよな。俺たちをここに集めた理由をさあ。
エージ       だから、準備が終わったら教えるってば。
カナタ       いいじゃん、もう。準備しながらでも話くらい聞けるだろ。ね、カンナ。
カンナ       そうだよエージ。カンナも待つの飽きてきたし。
エージ       カナタお前、カンナちゃんを味方につけるのはずるいぞ!
カナタ       イトコだからね、俺たち。
カンナ       ねー。
エージ       …分かったよ。話は簡単だ。お前ら、最近うちの学校で起きてる
        連続盗難事件のことは知ってるだろ?
カナタ       ああ、うん。
エージ       その犯人を一緒に捕まえてほしいんだ。
カナタ       …は?
エージ       あ、嫌ならいいけど。
カナタ       別に嫌じゃあないけど……なんで?
エージ       なんで、って?
クルメ       あなた、被害に遭ったの?
エージ       いいや?
クルメ       じゃあどうして犯人を捕まえようなんて思ったのよ。
エージ       俺の大事なモンに手を出されたのさ。
マツシマ  大事なモン?
カナタ       やっぱり何か盗まれたんじゃん。
エージ       違えよ!…犯人のやつ、俺の大事な大事なカンナちゃんの
        リコーダーを盗みやがったんだ!!
マツシマ  えっ!?
クルメ       本当なの?
カンナ       …うん。
カナタ       そんな…なんで相談してくれなかったんだよ!
カンナ       ごめんね、カナタ…。
カナタ       エージ、俺やるよ。許せねえよそいつ。

    クルメとマツシマも頷く。

エージ       ああ。……ゴトウたちは?
サキ       あ!
エージ       え?
ヒトミ       できた!終わったよ、準備!
エージ       お…おう。
ヒトミ       あ、ご、ごめんね。
エージ       いや、いいよ。…見せてくれ。
ヒトミ       はあい。

    全員仕切りに注目。

サキ       それじゃあいくわよ。…3、2、1、オープン!

    ブラインドが上げられる。現れたのは、セクシーポーズで佇む女装姿のゴトウ。
    お世辞にもキレイとは言えない完成度。

ゴトウ以外  ………あっはははははははははははは!!!
マツシマ  これはやばい!!これはまじでやばい!!
サキ       わ、私たちのせいじゃないわよ。キャンバスの問題よこれは。
カンナ       きゃんばす!!!
カナタ       無理…笑い死ぬ…!
ゴトウ       お前らなあ。
ヒトミ       だ、大丈夫だよゴトウくん!すっごくキレイだよ!
ゴトウ       …無理するなよ、ヒトミ。
ヒトミ       無理なんかしてないよぉ……ンフッ…
ゴトウ       ギリギリじゃねえか……ああもう、だから嫌だったんだよ。
サキ       もう少し化粧の似合う顔だったらよかったんだけどねえ。…カナタみたいに。
カナタ       え。
ヒトミ       ああ、カナタくんキレイだもんね!今度やってみてもいい?
カンナ       駄目。
ヒトミ       え?
カンナ       駄目ったら駄目!
ヒトミ       わ、分かった。
カナタ       ……。
マツシマ  まあまあゴトウ、もうここまで来ちゃったんだからさ。
        いい勉強だと思って、諦めるこったな。
ゴトウ       なんだよ勉強って。
マツシマ  お前はもう少し女子の気持ちを理解したほうがいいぜ。だからモテないんだよ。
ゴトウ       大きなお世話だ。……おい、エージ。
エージ       あン?
ゴトウ       本当にこの格好がその「犯人探し」において重要なんだな?
エージ       …ああ。この作戦はお前がいなきゃ成り立たない。協力してくれるか?
ゴトウ       …ここで降りたら、なんのために準備したか分からねえしな。
エージ       ゴトウ…!
ゴトウ       …うふっ。アタシ、頑張っちゃうわよ〜ん!
カナタ       ぶふっ!!ちょ、やめろよ!!
ゴトウ       みんな、アタシに任せてちょうだ〜い!
全員       あはははは!!
エージ       はははっ……サンキュウな。
ゴトウ       今度なんか奢れよ。
クルメ       そうと決まれば、早速行動に移りましょう。エージくん、作戦はあるの?
エージ       おう。まあ、簡単なんだけどさ。まずゴトウに、犯行現場のロッカーに向かってもらう。
        んで…なんか適当に、教科書をしまうフリでもしててくれよ。そうすれば、
        犯人はゴトウのことが印象に残るだろ。
カンナ       ターゲットを絞らせるために、あえて囮になるんだね。
エージ       犯人が盗みを行う時間は大体見当がついてるから、その時間になったら
        男子は出動!犯人を取り押さえる!これで、事件は解決。
マツシマ  なるほど。
サキ       本当に簡単だったわね。
エージ       あとは拘束して、犯人を叩きのめして、先生に突き出すだけ。
カナタ       叩きのめすの!?
エージ       おう。
ヒトミ       それはまずいよ。
エージ       いいや!俺のカンナちゃんを傷つけたんだ、痛めつけなきゃ気が済まないね!!
        まずはボディ!次に顔面!もっぺんボディ!!
マツシマ  分かったから。
エージ       (聞いてない)ストレート!フック!おまけに顔面!またまたボディ!
マツシマ  エージ?
エージ       仕上げに渾身の……
ゴトウ       落ち着けって!
エージ       アッパーーーーーーーー!!!……あ?

    鈍い音。近寄ってきたゴトウのアゴにエージのアッパーが命中した。
    一瞬の硬直ののち、倒れるゴトウ。

ヒトミ       ゴトウくーーーーーーーーーーーん!!!!!
エージ       え、え、なに!?
ヒトミ       死んじゃいやあああああああ!!!
サキ       落ち着いて!
カナタ       脈だ!脈を取れ!
マツシマ  脈ってどこで取るんだ!?
カンナ       て、手首とか!?
マツシマ  (探ってみる)わかんねえよお!
クルメ       じゃあもう心臓でいいわよ!!
マツシマ  しんぞうううううう!!!!

    マツシマはゴトウの胸に手を置く。固唾を呑んで見守る一同。

マツシマ  ……う、うごいてる……。
エージ       はああ…あぶねえ……。
ヒトミ       よ、よかったあ……うえっ……
サキ       泣かないで…。
カンナ       でも、起きないね。
カナタ       重いの入ったからなあ。
クルメ       先生を呼びましょうか。
マツシマ  なんて説明するんだ、これ……。
ゴトウ       う……
マツシマ  ! ゴトウ!?
ゴトウ       うう〜……ん?

    マツシマと目が合う。

ゴトウ       きゃあああああ!!!変態!!!(ビンタ)
マツシマ  べっ!?
ゴトウ       ひどいわ!寝込みを襲って、か弱い女子の…胸をまさぐるなんて!!
        助けて〜!!(ヒトミに抱きつく)

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