むし

(むし)
初演日:2017/7 作者:春野片泰
『むし』

みさき
みさきの母
結子
みさき(過去)


舞台上に机が一つ、上手側と下手側にそれぞれ向き合う形でパイプ椅子がある。
みさき、板付きの状態で下手側の椅子に座っている。

(開演の諸注意など)

照明つく。青など。

みさき「……ああ、うっとうしかった」

照明切り替え。白。

上手側から結子が出てくる。ゆっくり落ち着いた動作で椅子に座る。机に記録用紙、手にボールペンを持っている。

結子「それでは、始めます。まずお名前からうかがってもいいですか?」
みさき「(やや明るく)はい、戸田みさきです」
結子「名前の方は平仮名でよろしいですか?」
みさき「はい。あ、でも母は『未だ咲かない』、でみさきだと言ってました」
結子「……では次に年齢を」
みさき「18です。高校三年生です」
結子「……はい、では」
みさき「ね、お姉さん!」

結子、顔を上げみさきを見る。

みさき「その口紅の色素敵ですね! どこのですか?」
結子「……は……」
みさき「最近うちの学校でも流行ってるんですよぉ、真っ赤なの。私もバイトとかして一生懸命頑張ってるんですけど中々買えなくて、友達とお揃いにしたいんですけど」
結子「あの、戸田さん」
みさき「ピアスも色を揃えて新しいの欲しいなーって感じなんですけど、うちそういうお化粧とかすると親が怒るんですよねー、色気づくなって」
結子「(遮り)戸田さん!」

間。

みさき「…………はい?」
結子「わかってますか?」
みさき「なにが?」
結子「あなたは今、……あなたのお母さんを殺した罪に問われているんですよ?」


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