G・P

(じーぴー)
初演日:0/0 作者:フジカワミユウ
■登場人物
江川鶫(えがわ・つぐみ)
江川朧(えがわ・おぼろ)
田中詩織(たなか・しおり)
安藤太一(あんどう・たいち)
松田芽衣子(まつだ・めいこ)
平本すず(ひらもと・すず)
小笠原隼人(おがさわら・はやと)
澤井美佐子(さわい・みさこ)
校長










 G組の授業風景。練習問題を解いている。

澤井       もういいかしら?それじゃあ問1を…松田さん。
松田       はい。えっと…4?
澤井       うん、正解。
松田       よしっ!
平本       こんなので喜んでるの?芽衣子。そんなの誰でも解けるわよ。
澤井       じゃあ平本さん、問2分かる?
平本       任せて!むむむむ…

 平本、ボールを取り出し、占い師っぽい動作をする。

平本       出た!答えは18よ!
澤井       正解だけど…理由は説明できる?
平本       ええ、簡単よ。この水晶に18とでたから!
松田       それボールだよね?
澤井       そうじゃなくて、数学的な理由が欲しいんだけど…。
平本       別にいいじゃないの…はっ!まさか先生も科学の人間なの!?
        私をデジタルの世界に連れ込もうとしてるのね!そうはいかな…
鶫        (平本のノートを奪って)ノートに7行も使って説明してるけど?
平本       ちょっ、鶫!勝手に見ないでよ!
松田       すずさん、その変なキャラ付け…やってて辛くない?
平本       キャラ付けじゃない!私は神に選ばれし者なのよ!
        辛いなんて感じたことないわ、これがありのままの私なのだから!
澤井       …えー問3を田中さん、お願いします。
田中       はーい!
平本       流さないでよ!恥ずかしいじゃない!
朧        恥ずかしいってことはキャラ付けなんじゃねえの?
平本       だからキャラ付けじゃないってば!
鶫        詩織、こんなのできるのかー?
澤井       小学5年生相当の問題よ。これは解けるでしょう。
松田       (田中のノートを見て)…問1すら解けてないんだけど。
田中       大丈夫、任せてちょーだい!えーっと、「2と7の最小公倍数を求めなさい」か。
        んー…
平本       …出た!占いによると、詩織は87%答えを間違えるわ!
朧        無駄にリアルな数字だな。
平本       そりゃあ…実際に占ってますから。
田中       …あ!分かった!答えは…

 全員、田中に注目。

田中       (自信満々に)13!
全員       …………うわぁぁぁー!惜しい!!
松田       …ん?いや全然惜しくないよね!数字近いだけで、計算的には全然遠いからね!
        …ねえ詩織、2の段言える?まさか…
田中       馬鹿にしないでよ!それくらい言えるもん!えーと、2×1=2、2×2=4、2×3=7…
松田       はい違う!!すいませんこの子偶数と奇数すら分かってません!
朧        …ってかそれが正しかったら、問3の答え「7」じゃね?
平本       あ、そういえばそうね!朧君、あったまいいー!
鶫        ふっ…残念だったな朧!その意見は0.001秒先に俺が思いついてたしー!
        つまり俺のが頭いい!プラス顔もいいから俺最高!俺一番!
朧        嘘つくな。っていうか変わらねえよ。目立ちたがりのナルシストが…
鶫        (豹変して)あぁ!?弟のくせに兄貴に対しての態度がそれかてめぇ!!
松田       また始まったよ…
澤井       授業…したいんだけどなー…
朧        …そんなんでキレてんじゃねえよ単細胞!鶫は細けえくせに大雑把なんだよ!
        A組言ってからほざけ雑魚が!!(鶫を殴る)
鶫        …てめぇ俺の顔に傷ついたらどうしてくれんだよぉ!?
朧        大丈夫だ!ついたところでそんな変わらねえから!もともと歪んでんだろ!?
鶫        お前も同じ顔だけどなぁ!
朧        なんだとっ!?この…馬鹿!!
鶫        うるせえ馬鹿!!
平本       うわ…さすが元地域一の不良ね。丸くなっても、血の気の多さは変わらないわ…。
松田       言ってることは超低レベルだけどね!
        おーい、他のクラスは真面目に授業してるから!
澤井       一応G組も授業中なんですけどね…。
松田       またF組から苦情来たら面倒だし、静かにし…
鶫・朧       うるせえ引っ込んでろ!!……あ。
松田       はあっ!?ちょ、ちょっとやめてよ…いきなり、そんな大声で…
        私を責めないでよぉぉぉー!!(とても嬉しそうに)
鶫・朧       …やっちまった…。
松田       双子の言葉責めなんて、息ぴったりで威力倍増じゃない!
        反則だよ、反則っ!でもそれがまた…たまらない!
        ああっ、私なんかが偉そうなこと言ってごめんなさいっ!土下座します!
        だから踏んでくださいませんかご主人様ぁぁ!!
鶫・朧       誰がご主人様だ!
田中       始まったね、芽衣子さんのマゾヒストタイム。
平本       先生、この授業諦めたほうがいいかもしれません。
澤井       ……そうね…安藤君、もう授業終わりにするから、やめていいわよ?
        (全員に)私は一度職員室に戻りますから。

 ずっと自習をしていた安藤だが、澤井の言葉に頷くと勉強道具を片付け始める。
 澤井、それを確認すると教室を出る。

平本       あーあ、これでまたA組への道が遠のいたわね…。
鶫        このままじゃ、F組に上がることすらできないぞ…。
田中       鶫さんと朧さんが仲良しなせいだよ?
鶫・朧       はあ!?どこが!!
田中       喧嘩するほど仲がいいって言うでしょ?それにほら、息もぴったりだし!
鶫・朧       仲良くねえ!息も合ってねえ!
平本       ぴったりじゃないの。
田中       それにいつも授業を中断するきっかけって2人の喧嘩だよ。
平本       正確に言うと、それを止めに入った芽衣子がマゾヒストタイムを発動して、
        授業が成立しなくなるのよ。
松田       …ごめんなさい。でも、ちゃんと向上心はあるから!せめてC組まで行きたいです!
        ねー太一!
安藤       えっ?ああ、そう…ですね。
鶫        あー、何なんだよこの学校!学力のレベルでクラス分けるとか酷くないか?
        頭が良ければ良いほどアルファベットが前になるとか、差別だろ。
朧        しかも俺らは一番下のG組な。
        噂じゃ、小学生レベルとか言われて馬鹿にされてるらしいな。
鶫        よーし、それ言った奴シメに行くぞー。
田中       楽しいからいいじゃん!
平本       楽しいけど…何でわざわざG組なんか作ったのかしら。
        だって、この6人しかいないのよ?
朧        学年もバラバラだしな。
松田       私と江川兄弟は2年だし、すずさんは3年、詩織と太一は1年…だっけ。
安藤       はい。
田中       でも確かに7クラスって微妙だよね。
鶫        ラッキーセブン的な?
平本       そういう発想がG組の証拠よ。…あら?そういえば、F組と私たちの差って
        何なのかしら?
朧        だから点数だろ。
平本       それはそうなんだけど…だとしても具体的にどれくらい違うのかなって。
松田       あ、私の友達にF組の子がいるけど、その子も結構馬鹿だよ。
        私と点数もあんまり変わらないし。
鶫        そりゃあ芽衣子とつるんでるくらいだからな。
松田       ちょっと鶫!友達のことは馬鹿にしないでくれる?私はいいけど!
朧        お前はいいんだ。
松田       それに前のテスト、鶫より点数良かったんだけど。
鶫        そんなのまぐれだろ?
松田       …社会の「アンデスといえば何?」っていう問題、なんて書いた?
鶫        「メロン」。
松田       はい馬鹿だね!社会だよ!?普通「山脈」だよね!そんな答え書く奴、他にいな…
田中       え、私書いたよ。
朧        俺も書いた。
平本       私も。
松田       うそ!……ねえ、太一は私の味方だよね?

 全員、安藤を見る。

安藤       …すいません、僕も書きました。
松田       ……何これ、私がおかしいみたいじゃん…。
朧        それより、話が大幅に逸れてんだけど。
松田       え、私放置?も、もしかして放置プレイなのっ?
田中       (ちらっと松田を見て)じゃあ、性格の面倒くささとか!
松田       今絶対私のこと見たよね?
朧        問題児の集まりってことか。まあ、それなら納得…
鶫        何言ってんだよ!おかしいだろ!?だったら何で俺がこのクラスなんだよ!
平本       いや、鶫がいる理由は明確じゃないの。…それより何で私がここにいるのよ!
松田       いやいや、それこそ明らかじゃん。
        それより気になるのは私がこのクラスにいる理由…
田中       いやいやいや、みんなすっごいキャラ濃いじゃん!
        自覚してないなんて馬鹿だなあ!
鶫・平本・松田 あんたに言われたくないんだけど!
朧        …でも、だとすると太一は何でだよ?性格だって、目立って変なところはないだろ。
安藤       …それが逆に駄目なんだよね…
朧        ん?何か言ったか?
安藤       いや、なんでもないです。
松田       あー、いっそG組なんて無くしちゃえばいいのに!そうすれば私たちもはれて…
小笠原   おや、とうとう退学希望ですか?諦めない精神がこのクラスの取り柄だと
        思っていたんですがね。

 小笠原がやってくる。

小笠原   どうも。
鶫        隼人!また来たのかよ。生徒会長のくせにサボりか?
小笠原   失礼な、校内パトロールですよ。それにA組は点さえ落とさなければ
        出席しなくてもいいんです。
朧        わざわざ自慢しに来たのかよ。
小笠原   いえいえ、そんな。…それより、あなたたちも授業をしているようには
        見えませんが?
平本       わ、私たちも授業免除されてるのよ!凄いでしょ…
松田       いやこれ授業放棄じゃ…
平本       芽衣子っ!
小笠原   授業する気が無いと…だったら随分と楽になるぜ。
田中       え?何か言った?
小笠原   ああ、いえ、なんでもありませんよ。それでは引き続き頑張ってください。
        努力は必ず結果に結びつきますから。
鶫        おう!いつか絶対追いついてやるからな!
小笠原   ふふっ、待ってますよ、鶫…失礼します。

 小笠原、去る。

朧        鶫、何であんな奴と仲いいんだよ。
鶫        何でって…幼馴染みなんだから普通じゃないか?朧も昔は仲良かっただろ?
朧        仲良くねーよ…あんないけすかねえ奴。
平本       もしかして、まだ服装違反で5時間正座させられたこと根に持ってるの?
朧        違えよ!…何かおかしいんだよ、隼人は…。

 チャイムが鳴る。

松田       あー授業終わったー!日直、帰りのホームルームやって!
朧        うるせえな!言われなくてもするっつーの!
松田       は、はいっ!生意気言ってすいませんっ!!


 暗転


 職員会議が始まろうとしている。重苦しい雰囲気。校長・澤井などの先生たちはもちろん、
 その中には小笠原の姿もある。

校長       それでは会議を始めます。今日の会議は我々教師にとっても、
        生徒にとっても重要なものです。いつも以上に気を引き締めて会議に臨むように!
全員       はい!
校長       それでは議案者の小笠原君、議案について説明しなさい。
小笠原   はい。

 小笠原、立ち上がる。

小笠原   今年、部活の新設要望がたくさん届きまして。生徒会で話し合い
        5つに絞ったのですが、全てを承認するとなると、部室が1つ足りないんですね。
        しかし、どれも省くにはもったいない部活ばかり…部員ももう
        10人ほど集まっているようですし。そこで思ったんです。部活を減らすのではなく、
        空き教室を増やせばいいのでは…と。
校長       つまりどういうことなのかな?新しく校舎を建設しろということかい?
小笠原   いえいえ、そこまでする必要はありません。僕が目をつけたのは………

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