クドリャフカ

(くどりゃふか)
初演日:2013/12 作者:永村閏
クドリャフカ


【登場人物】
人間
仔犬クドリャフカ
他の人間(複数)


          開幕。
          舞台上には小さな箱がある。
          その他様々な機械。
          何かを計測しているようだ。
          やがて箱の小窓から明かりが漏れ、内部の様子が窺える。
          何かいる。
          計測している人間が現れ、その時を待つ。
          時間になったら人間の手によって箱が開けられ、中にいた何かが出てくる。
          それは小型犬。

仔犬   ぷはーっ長かった!どれくらい?どれくらい?わぁ、やったぁ!記録更新!わっは、褒めて褒めて。やだ、くすぐったいよ、やめてやめて。
     あーだめ、やめないでもう一回。えへへ。私頑張ったでしょー凄いでしょー。だからさー。……もうわかるでしょ!美味しいごはんちょうだい!
     …きゃーやったぁ!…食べていい?…食べていい?…いただきまーす!…ふぅー。ごちそうさまでした。

          また別の犬。

仔犬   はい、いつもの体調検査ね。大丈夫だよ。調子いいもん。ね、私一番とれるかな。本当?絶対に?うん一番とりたい。だって一番とったら行けるんでしょ?
     行きたいな。だって君が行きたいところなんでしょ。だったら私も行きたいよ。行けるよね。…はい。今日もばっちり平熱。

          また別の犬。

仔犬   今日の訓練楽しかったぁ。私空にいったんだよ。すっごい高いところ。この建物なんて全然見えないくらい高いところ。
     ぼーんって打ち上げられて、凄いスピードなの。それで凄い身体が重たくなるの。なんだっけあれ。イー…じゃなくて、エフじゃなくて、…そうジー!
     でね、そこからパラシュートで降りてくるの。空は綺麗だったよ。皆が空に行きたがる気持ちわかるよ。ね、君も空に行きたい?行こうよ今度は一緒に。
     なんで?身体が大きいから?ふーん。

          また別の犬。

仔犬   えーまた狭いところに入る訓練?んー、別に嫌じゃないけど、動けないから退屈なんだもん。やるよ。やるけどさ。君も一緒に入ってくれたら寂しくないのにな。
     終わったらちゃんと美味しいご飯用意しておいてね。それからいっぱいなでてね。絶対だよ。今度はどれくらいの時間?2週間?2週間ってどれくらい?

          様々な種類の犬達が訓練を受ける様子。
          結果の悪かった犬たちはどんどんはずされていく。
          クドリャフカが残される。

仔犬   わーい。一番だったよ。一番成績良かったの!褒めて褒めて。私が行くの!行ってくるよ、宇宙!

          途端にクドリャフカの身体に様々な機械や装置がつけられる。
          クドリャフカ自身はその機械に挟まれ小さくなる。

仔犬   これはなにする機械?へぇ、これでちゃんと息ができるんだ?ご飯はどうするの?えーなにこれ、ドロドロで不味そう。それから…。あ、あの。あれは?あれ。
     …………トイレ。えー。何これ。こんなものの中にするの?やだー。ちゃんと消臭もするからってそういう問題じゃないよ。え?もう時間?わかった。
     いつもの訓練みたいにちゃんとやるから。任せて。じゃあ行ってくるね。

          カウントダウン。
          暗転。
          暗闇の中で浮かび上がるクドリャフカの姿。

仔犬   来た…。来た…。私、宇宙にきたんだ。

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