段ボールの上でプリントを書くと穴が空く(コン劇版)
田所:田所 晃(たどころ あきら)
上島:上島 修二(かみしま しゅうじ)
二人とも制服。

後方に段ボールの塔が三本〜四本と小道具とか全部置いてある(見える状態で)。


明転。
上島と田所、段ボールを机にして勉強している。上島は問題集に書き込みしている。
田所は英単語・文法の参考書みたいな赤いフィルム通して見ると答えが見えないやつやっている。
田所は目にフィルムを当てては外す、を繰り返しながらぶつぶつ言っている。

【一幕】

上島:(田所の方に目をやる)
田所:(キレ良くフィルムを動かしている)
上島:なぁ、田所。
田所:何ですか?
上島:動きがうるさい。
田所:今、授業中なんで。
上島:……。手、動かすな。
田所:……。(今度はフィルムを固定で頭を動かす)
上島:田所。
田所:何ですか〜。
上島:動きがキモイ。
田所:なんなんですか、さっきから!
上島:いいから1回止まろ?な?
田所:良い感じで出来てたのに。
上島:あのさ、一個良い?
田所:何ですか?
上島:それ、本の方に当ててこうやってずらしていくんじゃダメなの?
田所:(やってみる)上島さん、これ特許取れますよ。
上島:取れねぇよ!なんか、もう、お前のせいで集中切れたわ。
田所:いつも大体集中してないじゃないですか。
上島:にしても、あっついなぁ。七月にもなると、やっぱ外ってのは暑いなぁ。
田所:公園ですからね。
上島:まぁ、公園だからな。

SE、公園の雑多とした音。

上島:でもまぁ、あれだな。さすがに三ヶ月近く経つと、公園で勉強するのも慣れてくるな。
田所:もうそんなに経ちますか。
上島:うん、そうだよ、だって俺がここ来たのって、確か……、
そう、あれは桜が散ってまだ間もない、四月の中旬の頃……。

照明、ゆっくりと暗くなる。
田所と上島は自分の前の段ボールを片付けて後ろへ運び、制服を着ようとする。


田所:あれ?そんな前でしたっけ?
上島:ここで会話すんの?!

照明COで暗転。
音楽(OP)CI。
OP演出。
スポットライト中央にCI。
田所、上島段ボールを持ってくる。
二人してタイトルの段ボールを見せたところで、スポットライトCO。
音楽FO、明転。

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