幽霊のいた教室
聖霊高校演劇部作
幽霊のいた教室

あらすじ
 卒業を目前に控えた山百合高校3年生たち。授業を受けていると、ふとしたきっかけでその一人に、学校に住む地縛霊が乗り移った。その幽霊は、山百合高校の七不思議を作った張本人。最初怯えていた生徒たちは幽霊の想いを知り、彼を成仏させるべくあの手この手の作戦を考える。

登場人物
女12名(先生たちは加藤先生以外男性でも可)

幽霊・・・昭和2年生まれの男子高校生。17歳で死んでいる。人物としては登場せず、様々な登場人物に乗り移りしゃべる。

〇高三
浩子・・・クラス委員。しっかり者。
咲良・・・居眠りばかりしている。
聡美・・・優等生。
香織・・・女子力高い系。
里香・・・脳みそ筋肉系。
梓 ・・・心霊マニア。

〇後輩
あかね・・・高1.里香のファン。

〇先生たち
加藤先生・・・高三生徒たちの担任。若い女性。国語。
鬼塚先生・・・生徒指導の怖い先生。肌身離さず竹刀を持つ。
斉場先生・・・変なおばさん先生。霊感がある。
教頭  ・・・校長にゴマをすり次期校長の座を狙う。
校長  ・・・おばあちゃん。

オープニング 夜の教室
時計の鐘が鳴る。机が置いてある。背景の壁中央に絵がかけられている。鐘が鳴り終わるとホラー系の音楽が流れ、壁に掛かった絵が揺れて下に落ちる。暗転。

1場 教室。

チャイム。
照明明るくなる。生徒たちが座っている。絵は直されている。

鬼塚   よし。じゃ、これで終わり。
浩子   起立。

    生徒たち立つ

浩子   3年間ありがとうございました。
生徒   ありがとうございました。
鬼塚   おーし、3学期もあとちょっとだから、卒業までビシッと授業受けような。ビシッと!いいか!?
生徒   はい!
鬼塚   特に咲良!おまえまだ授業中寝てるって職員室で噂なんだけど本当か?
咲良   いいえ!毎時間バッチリ起きてます!
鬼塚   そっかあ、よかったなあ。もし本当だったらもう一回三年生やってもらうとこだもんな。ま、3学期短いけど、教室でこうやって授業受けるのももうすぐ人生最後だから。じゃ、次の授業の準備しとけよ。

    鬼塚出ていく。生徒たち姿勢を崩して安堵した様子。授業の準備をしだす。

咲良   はあ・・・怖!
里香   咲良がいっつも寝てるからじゃん。
咲良   だって、疲れるんだもん。里香こそ毎日あれだけ運動しててよく授業中眠くなんないよね。
聡美   そんなに寝ててあんた学年末試験大丈夫なの?
咲良   だってさあ、私たちもう入試も終わってるし、卒業さえできればいいんだから成績だって2で十分でしょ。ぶっちゃけ授業受ける意味なくない?
浩子   まあね。まあでもさ、それもあとちょっとだし。さっき鬼塚先生も言ってたけど、授業受けるのも今週で人生最後なんて実感わかないね。
香織   そしたら学校来るのもあと何回かで、すぐ卒業式かあ。
里香   私は3月31日まで部活。その次の日から大学の部活。
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