悪戯LOVEチャンネル
【悪戯LOVEチャンネル】
     ・勇紀(男。失恋した青年。研究者に絡まれる不幸なツッコミ役)
     ・エリ(女。青年の彼女。ある意味一番はじけた存在。)
     ・博士(男。天才だけどアホ。未来変更テレビを開発した。けどアホ。)
     ・助手(女。博士を支える人。真面目そうに見えてアホ。)
     ・悪戯(どちらでも。未来変更テレビのバグ。面(紙袋?)をつけている。台詞ほぼ無し。)
     ・桑原さん(女。伝説のチョイ役。)
     
     町中の騒がしい音と共に開幕。勇紀が下手側から登場。
     
     勇紀  はぁ・・・。ほんっと俺、ついてないなぁ・・・。朝から目覚ましは壊れるわ着ていく服はしわくちゃだわ靴ひもは切れるわ急いで駅までついたら財布は忘れてるわケータイ充電切れだわで・・・。結局、二時間も遅刻して彼女にフラれるわ・・・。・・・今誰か『ざまぁみろ』とか言わなかったか!?・・・気のせいか。はーぁ・・・もう・・・なんでこんなに上手くいかないんだろうなぁ・・・。・・・今更謝ったところで・・・。あーー!!俺はどうすればいいんだよぉー!!
     
     上手から助手がボードをもって登場。勇紀をのぞき込むような形で声をかける。
     
     助手  あの・・・よろしいですか?
     勇紀  ・・・なんだよあんた。
     助手  私はある研究所の者でして・・・。あの、もしかしたらあなた・・・デートの日に限って目覚ましは壊れ着ていく服はしわくちゃで靴ひもは切れるわ急いで駅まで行ったら財布は忘れるわケータイ充電切れだわで、結局二時間ほど遅刻して彼女にフラれた不幸な方・・・ではありませんか?
     勇紀  あんたエスパーか?
     助手  ・・・ざまぁ。
     勇紀  うるせぇ!!
     助手  しかし・・・本当にそんな人がいるとは思いませんでした!実は私、博士にそういう人を一人連れて来いって言われてるんです!!
     勇紀  博士?っていうかなんでそんなに細かくその日に起きた不幸なことを抜粋して探してんだ!?
     助手  そんなことはどうでもいいのです!!あなたは今、私共の研究所の実験体となるため、私の給料を上げるため、嫌がらせのような任務をよこしてきた博士をぎゃふんと言わせるために私についてくることだけを考えていればいいのです!!さぁさぁ!!
     勇紀  ちょ、引っ張るなよ!っていうか実験体ってどういう!
     助手  説明はあとあと!!いいからこっちですよ!!
     
     勇紀が助手に引っ張られながら上手側へはける。暗転。巨大なテレビと色々なものが置い
     てある研究所にして明転。上手側に博士が一人いる。
     
     博士  えー、皆さんどうもこんにちは。私はこの研究所でたくさんの発明をしているのですが今回ご紹介させていただくのが、こちらのペン!こちらがですね、私の発明品でして、芯を出そうとするとですね、電流が流れて痛っ!!
     助手  はーかーせー!!
     
     下手から助手と勇紀が登場。
     
     博士  なんだねもう・・・私は次の研究発表会の練習を!
     助手  そんなことより博士、ほら!!
     博士  なんだこの幸薄そうな男は。
     勇紀  よく初対面でそこまで言えるな。
     助手  博士が言ってた人、探してきたんですよ?
     博士  言ってた人・・・。あぁ!デートの日に限って目覚ましは壊れるわ着ていく服はしわくちゃだわ靴ひもは切れるわ急いで駅まで行ったら財布は忘れるわケータイ充電切れだわで、結局二時間ほど遅刻して彼女にフラれた不幸な奴か!!
     勇紀  そうだよ、んで、なんなんだよここは。
     博士  ・・・ざまぁ。
     勇紀  うるせぇっ!!!
     博士  いやーしかし、本当にそんな不幸な奴がいるとは思わなかったよ。はっはっはっは。
     勇紀  何笑ってんだよ!こっちは深刻だってのに!!
     博士  あーわかってるわかってる。そうだろう辛いだろう。・・・あわよくば時間を戻して、もう一度やり直したいだろう?
     勇紀  あぁ・・・そうだよ。そんなことができるんだったら、真っ先にやり直したいよ。
     
     博士と助手が顔を合わせてニヤッとする。
     
     勇紀  ・・・何だよお前ら。
     博士  もう一度やり直す・・・そんなことができるなら・・・やり直したいんだろう?
     助手  そんな非現実的なこと・・・叶わないと思っている・・・そうでしょう?
     勇紀  な・・・なんだよお前ら急に・・・気持ち悪いな
     博士  気持ち悪くなぁーい!!青年よ!!君は私のことを今までキュートでクールでナイスガイで頭が切れるただのモテモテ天才博士だと思っていただろう!!
     勇紀  や、ただの変なオッサンだと
     助手  ご覧なさい!!このアホみたいに貧相で洒落っ気の欠片もないこの研究所の中で無駄に存在感を放つこの巨大テレビを!!
     勇紀  うん。ずっと気になってはいたけど。
     博士  このテレビはその名も『過去変更テレビ』!!現実世界の過去とリンクしてもう一度人生をやり直すことができるテレーヴィなのだ!!
     勇紀  過去と・・・リンク?
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