僕≠俺
僕≠俺


静香山 麻樹


自分 僕は俺であり私でしかない。表記では僕
誰 みんなは他人であり、僕以外である。そして僕の中に勝手に居座っている。そして僕の妄想でしかない。はず。君は何者だい? 1+4 人


自分、目隠しをして椅子に座っている

僕「僕は僕だ。男子高校生で 17 歳で血液型は A 型だ」
誰「自分は君だ。君の想像で、妄想で、見たものや聞いたもの、出会った物語や人によって姿形を変える。僕のこと知り ( たい?」
僕「僕は 7 月 29 日生まれで、音楽が好きで読書が好きだ。君は違うんだろ?」
誰「自分は君の想像だ。僕は君だけど君自身ではない。自分に問いかけをしたいなら自分でやってくれ。それしかないんだよ。人は自分を認識できても自分を想像できないから」

このセリフを言いながら誰かと翔は入れ替わる

僕「一人称が僕になったね。君は誰何だい?僕だけど。僕が想像している君は誰だい?」
翔「誰って弟の翔だよ。わからねえのか」
僕「中学生のくせして俺よりイケメンなやつを俺は弟と認めない」
翔「器ちっせえから背もちっちゃいんだろが。そんなんでいちいち妬くなよ」
僕「お前よりは器でけえよ。ゲームのレアキャラ当たんないからってブチ切れるやつよりはずっとな」
翔「ああ、うるせえ!もういい!寝る」
僕「おう、寝てろ寝てろ」

翔、僕の中の想像に従って寝るために帰る。代わりに海里が出てくる

僕「まあ、あいつよりは短気じゃない分いいか」
海「あんたは短気じゃないけど短所もいっぱいあるじゃない」
僕「お前寝たんじゃ……て、女の子を想像してんのか。僕は。で、誰なの?」
海「部長に『誰なの?』はひどくない?」
僕「海里か。俺、部活に人生賭けすぎだろ。これあれかな?勉強のこと想像すれば担任出てくんの?」
海「さあ?私に聞かれてもね」
僕「部活といえば部長ですからね!」
海「では君には部長をもっと敬うことを要求、いや、部長として命令します」
僕「なに急に硬くなってんだよ。普段通り仲良くやろうぜ」
海「だからといってすぐにハグするのはどうかと思うわ」
僕「なんでだよ、学校でよく見る風景じゃねえか」
海「女子と女子ならね。そもそも男子がハグしたがるのがおかしいのよ」
僕「それじゃあ男子と男子ならいいのか?」
海「私はごちそうさまだけど?」
僕「あ、いえ、結構です…あーあ、これなら女に生まれたかったな」
海「え?あなたやっぱりこ ( っち… )
僕「違うから!心も体も男子だから!」
海「あはは」
僕「笑うなよ!」
海「いえ失礼。それじゃあ私は部活に戻るから」
僕「なんだよ急に。ここは俺の想像だ。部活なんてやってるわけないだろ?」
海「ええそうよ。これはあなたから離れるための口実」
僕「なんで離れようとするわけ?まさか。これ以上大好きな俺の近くにいると心ぞ ( うが…… ) 」
海「ほざいてなさい」
僕「…はい」
海「まあ、とりあえず私は去るわ」
僕「なんで?大好きな海里ちゃんともう少し一緒にい ( たい」
海「そういうのは彼女に言いなさい」
僕「はは、反論のしようがありません」
海「それじゃあまた現世 ( うつしよ ) で」
僕「お疲れ様でした」
1/4

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム