ゴブンノイノチ
ゴブンノイノチ

唯(ゆい)  …    演劇部員(部長) 引っ込み思案で周りを伺いながら行動する。自分のことより他人のことを優先する性格
薫(かおる) …    演劇部員 活発で適当なところもあるが、周囲を盛り上げるムードメーカー。
実里(みのり)…    演劇部員 いたって標準的な女子校生。お笑いが大好き。明るい。ノリが軽い感じ。
穂花(ほのか)…    演劇部員 上品でメルヘンチックな思考を持ち、基本的には温厚な性格だが、空手の有段者で怒らせると怖い。
桃子(ももこ)…    謎の生徒。礼儀正しいが時々言葉を間違える。命に関係する言葉に敏感に反応する。
その他、劇中劇にてキャストの調整は可能


序幕(教室)

唯、カバンから書きかけの台本をだす。

唯:「(台本を見つめながら)最後くらいみんなの期待に応えようって一生懸命頑張ってたんだけど。どうしてこうなちゃうんだろ。いやだなぁ、こ
んな性格。もう、私、死んじゃいたい(泣く)」

書きかけの台本をゴミ箱に投げ捨て、みんなの後を追う唯
すれ違うように桃子教室に入ってくる
捨てられた台本を拾う桃子


第一幕(教室) ? 演劇部 ?

発声練習をしている演劇部員

発声練習が終わり、唯以外、椅子に座り携帯をいじりながら話し始める

唯:「ねえ、薫。私達いつになったら体育館で練習させてもらえるんだろ。」
薫:「無理っしょ。体育館のステージまで運動部に使われてるんだから。」 実:「それに部員はこの人数で、顧問もいるかいないか分からないような状況だし。」
穂:「いくら頑張っていても、花形の部活に比べて雑な扱いをされるのが、演劇部の悲しい宿命なんです。」
唯:「私、もう一度、先生にお願いしてくる!」
薫:「唯、やめときなよ。私たち三年で進路もあるんだし。」
実:「下手に先生に目をつけられても、いいことないよー」
唯:「そんな、二人とも… ねー、穂花ちゃん!」
穂:「三年生4人だけの部活ですし、薫さん、実里さんの言うことも一理ありますよね。」
唯:「穂香ちゃんまで…」
沈黙
唯:「じゃ、じゃあ、次の大会の台本、どうするか考えようよ!」
薫:「もうそんな時期? あぁ、もう死にたい」
実:「またネットで探せば良いんじゃない?」
穂:「でも、ネット台本は避けましょうって審査委員に言われたばっかりですよ」
薫:「だって、それ以外台本の探し方知らないもん」
唯:「私達、最後の大会なんだし、みんなで作るのはどう?」
他の三人:「よろしくお願いします!」
唯:「え、私、今、みんなでって言った…」
実:「いやー、こんなに早く台本が決まるなんて思わなかった。さっすが部長!」
実:「こういうのは言い出しっぺがやるもんだよ。」
唯:「私一人じゃ無理だよ。文才ないし。」
実:「自分で作る気がないのに言い出したのー? 幻滅―。」
穂:「実里さん、言いすぎですよ。」。
実:「はーい、ごめんなさーい。」
唯:「やっぱりさ、みんなでつくろうよ! 最後の大会なんだし。ね、薫!」
薫:「私はパース。前に私が作った台本がどんなことになったか覚えてる?」

ミニ演劇
テーマ、宇宙戦争。

薫:「あたしなりには最高傑作だったんだよ。それを顧問のやつが『これは無理』とか言いだしやがって。何が無理なのかあたしにはさっぱりわか
  んねえ。」
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