次の電車がくるまでに

(つぎのでんしゃがくるまでに)
初演日:2016/5 作者:新堀 浩司
次の電車が来るまでに

人物

中居洋平(なかい ようへい)
白塚笑美(しらつか えみ)
大和田拓(おおわだ たく)
菅野谷香奈子(すげのや かなこ)
白塚茉莉(しらつか まつり)
駅員



舞台 とある駅のホーム
時期 3月の末ごろ



駅員   「1番線から電車、間もなく発車いたします。閉まるドアにご注意ください」

        電車が発車する音。明転。舞台はとある地方の駅のホーム。そこに菅野谷
香奈子が駆け込んでくる。

香奈子 「あー、やっぱり遅かった!」

        続いて白塚笑美が登場。香奈子は軽装。笑美は大きなバックを持っている。

笑美  「まあいいよ。別に急ぐ理由もないしさ」
香奈子 「とはいってもさー、悔しくない?ギリギリで乗り遅れるのって」
笑美  「カナコが乗るわけじゃないでしょ?」
香奈子 「まあ、そうだけどさ(駅員に)あのー、すいません」
駅員  「はい」
香奈子 「1番線からの電車なんですけど。次はいつ来ます?」
駅員  「ええと、大体15分後ですね」
香奈子 「ありがとうございます(笑美に)15分後だって」
笑美  「ありがとう。ところでカナコ」
香奈子 「なに?」
笑美  「もう帰ってもいいよ」
香奈子 「ええ?ちょっとちょっと、なんでそんなこというの?」
笑美  「わざわざ見送ってくれるのは嬉しいけどさ。あんまり長い時間付き合わせるのも気が引けるし」
香奈子 「何言ってんの、私はちゃんと電車に乗る瞬間まで見送るよ。そのためにわざわざ入場券まで買ったんだし」
笑美  「カナコってさ」
香奈子 「ん?」
笑美  「本当にお人よしだよね」
香奈子 「馬鹿にしてんの?」
笑美  「お人よし過ぎて自分の幸せを逃さないか心配だわ」
香奈子 「余計な心配しなくていいから」
笑美  「だってさあ、結局卒業式で大和田に」
香奈子 「その話はいいの!もう!」

        香奈子、舞台袖へ歩いていく。

笑美  「帰るの?」
香奈子 「帰らないよ。ちょっとお花を摘みに」
笑美  「ああ、便所ね」
香奈子 「女の子なんだからさ、せめてお手洗いとかトイレとか言いなよ」
笑美  「いいから行きなよ。漏らしてもしらないよ」
香奈子 「そこまで切羽詰まってないから!」

       香奈子、去る。笑美は荷物から文庫本を取り出し、頁を開く。
       そこに2人の男がやってくる。中居洋平と大和田拓である。

洋平  「僕は本当にダメな男だよ」
拓   「今更へこんでてもしょうがねえだろ」
洋平  「結局卒業式の日も、口きけなかったし」
拓   「しょうがねえよ。ぱーっと遊んで忘れようや」
洋平  「そうだね・・・(笑美に気づく)」
拓   「まずはゲーセンでも・・・どうした?」
洋平  「拓。あれ・・・」
拓   「あれ、白塚じゃん。あいつもどっか遊びに行くのかな。にしては、大荷物だな」
洋平  「多分、引っ越すんだと思う。白塚さん、東京の大学受かってたから」

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