人狐桜乱戦-初段:決断と決闘の場

紅色傾武伎

(じんこさくらのみだれいくさ-しょだん:けつだんとけっとうの場)
初演日:0/0 作者:アカイロネコ
   人孤桜乱戦(じんこさくらのみだれいくさ) 
初段:決断決闘(一幕二場)
アカイロネコ

◎登場人物
 ○狐
  ・在源 九朗(ざいげん くろう)実は白狐:九朗(びゃっこのくろう)…狐族次期当主。
  ・白狐:大九朗(びゃっこだいくろう)…狐族現当主。
  ・茶狐:一助(ちゃぎつね:いすけ)…狐族茶狐三衆長男。
  ・茶狐:二助(ちゃぎつね:にすけ)…狐族茶狐三衆次男。
  ・茶狐:三助(ちゃぎつね:みすけ)…狐族茶狐三衆三男。
※その他茶狐が登場するが、大道具や次の場面で舞台に上がらない人が登場。又、黒子も兼用。三〜五人。
 ○人
  ・源藤 静歌(げんどう しずか)…夜頼の娘。(九朗との二役の.Verあり。今回はそれぞれ)
  ・源藤 夜頼(げんどう よらい)…源藤グループ代表取締役。(大九朗と二役)
  ・亀井 睦郎(かめい むつろう)…源藤グループ警備隊長。
  ・駿河 時郎(するが ときろう)…源藤グループ令嬢教育係。

◎狐族について
 狐は指の第一と第三をくっつけて少し曲げてる状態(包丁を使うときの猫の手)が基本です。

※殺陣のシーンに演出など書いていますが、あくまで参考として。大切なのは息の合った舞のような動作です。

◎夕:帰宅道
 九朗(人状態)が一人立っている。
九朗「僕には、正しいことなんて分からない。正解が分からない。僕はどうしたら良いんだろう」
 夕焼け空になる。
男子生徒A(声)「おい九朗。反撃してみろよ」
 殴られる音と少し仰け反る九朗。
男子生徒B(声)「つまんねえなあ。痛いとかなんとか言えないのかよ?」
男子生徒A(声)「弱い奴は泣いて謝ってりゃいいんだよ」
 数人で九朗を殴る音。
静歌「やめなさい」
 静歌が入ってくる。
静歌「寄ってたかって乱暴するなんて、それが人のすることですか!?」
男子生徒A(声)「やべえ、源藤が来ちまった!」
男子生徒B(声)「あいつお嬢様だから力があると思いやがって、くそっ!」
 九朗が倒れるのと同時に逃げ去る足音。静歌、九朗に駆け寄る。
九朗「源藤さん、いつもごめん……」
静歌「良いのです。あのような非道者を、許しておけないだけなのですから。私には、人のすることとは思えません」
 九朗、立ち上がって空を見る。
九朗「人間だから、彼等は僕を殴るんだと思うんだ。弱い者を大勢で叩いて、自分達の強さを見せつけようとする。それはきっと、生き物として普通のことなんだ。だから、僕は彼等を責めたりしないよ」
静歌「ですが―」
九朗「分かってる。皆が皆、彼等と同じじゃないってこと。君みたいに、手を差し伸べてくれる人がいること。大丈夫。僕は分かってる。本当は僕だって、皆と平和に……じゃあね、源藤さん」
 九朗、退場。
静歌「九朗君……」
 睦郎、時郎、登場。
睦郎「ああ、いたいた! 探しましたよ、お嬢!」
時郎「校門の近くでお待ち下さいと言いましたでしょう?」
静歌「睦郎、時郎。ごめんなさい、知人と話していました」
睦郎「お、もしかしてあれですか!? お嬢もモテますなあ、俺もお嬢ぐらいの時には」
時郎「睦郎」
睦郎「分かってるよ、冗談ですよ冗談。さ、お嬢は早く車に乗って下さい。夜頼様がお待ちです」
静歌「はい……あ、時郎。今夜の学習は何時からでしょうか?」
時郎「今夜は、私はいません。自習をなさっていて下さい」
静歌「それは、何故?」
時郎「いえ、急用がございまして。睦郎と共に、今夜はお屋敷にはおりません」
静歌「急用、それは一体」
時郎「申し訳ありませんが、お嬢様にはお伝えすることが出来ません。夜頼様からの申し付けですので」
静歌「……分かりました」
睦郎「あ、俺達はちょっとお飲み物でも買ってくるので、先に行ってて下さい」
静歌「はい……」
 静歌、ハケる。
 少しの間。
睦郎「さっき、お嬢といたガキ。あいつがそうなのか?」
時郎「ああ、情報によると、な。やつは一族の中でも特に強い力を持つと聞く。今まで気付かれずに学校に通えているのが証拠だろう。普通ならあんなに長く姿を保っていられないからな」
睦郎「何が目的なんだかな、人間の学校になんて通ってよ」
時郎「大方、偵察目的だろう」
睦郎「なかなか侮れない調査力だな。……しかし、全く嫌な仕事だなあ」
時郎「何だ、その不満そうな声は」
睦郎「正直気乗りしねえんだわ。だってよお、実際悪いのはこっちじゃねえか。あいつらの住処の殆どを壊して、自分達のものにしちまったんだからよお」
時郎「しかし、これは源藤グループの発展に関わる問題だ。そんなことを気にしてはいられないだろう」
睦郎「でも、これをお嬢が知ったら、どんな顔するかと思うとな……」
時郎「それは……今更引き返すことは出来ない。俺達が源藤グループを抜けない限りは、な。俺達が攻撃を仕掛けてくることは、奴らにもばれているだろう。仮にでも、お嬢様が狙われるようなことがあってはならない。俺達が叩きに行くしかない」
睦郎「分かってるよ。全てはお嬢の為だ。俺達の命に変えても、お嬢の安全を。さ、早く車に戻ろうぜ」

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