レイズユアハンド

(れいずゆあはんど)
初演日:2016/6 作者:山口 薫
レイズユアハンド

松岡……高校3年生。裁判長。調理部で一番の成績。自己中
鳴海……高校3年生。裁判官。調理部だが幽霊部員。真面目で実直な性格
高橋……高校3年生。調理部部長。松岡の実力を嫉妬している
村元……高校3年生。実力は学校ワーストワン。嫌われ者
山本……高校3年生。調理部副部長。村元の事が嫌い
久城……高校3年生。調理部の中で村元の唯一の友人。松岡の事が嫌い
堀宮……裁判員席(観客席)で裁判を見ていた2年生。実は事件の発端
※「一同」となっている部分は、言いたい人だけ言ってください


舞台中央、上手、下手にそれぞれ机が2台ずつ、計6台。上手と下手の机はやや中央に向かって傾けて配置。椅子は置かない

緞帳開く
誰もいない舞台
日本刀とピコピコハンマーを手に持った松岡と、書類を持った鳴海、不満そうな高橋、村元、山本、久城が入ってくる
松岡と鳴海は中央の机、村元と久城は下手の机、高橋と山本は上手の机の位置につく
松岡がピコピコハンマーで机を叩く

松岡「はいはい、静粛に静粛に!!」

会場のざわめきが収まるまで叫びながらピコピコし続ける
収まらなかったら鳴海の頭をピコピコする

松岡「……よし、やっと静かになった」
鳴海「……あの、裁判長、小槌は無かったんですか?」
松岡「う、うるさい! 百均にこれしか売ってなかったの!」
鳴海「本当だ、値札がついてる。わー」
松岡「……ただいまより、第一回、私の自転車にイタズラしたのはどいつだ裁判を始めます! いいでしょうか、本日お集まりいただいた裁判員の皆様!」

松岡はピコピコハンマーで観客を指す。ぶんぶん振り回してもよし

松岡「いいですかー? 昨日の放課後に起きた、残虐極まりないとある事件……皆様方にはこれから、裁判員として、その事件の犯人がどちらかを判断してもらいます。私達が彼らに対して執り行う尋問や拷問をよく見て、よく聞いた上で彼らに厳正なる判決を下してくださいねー。いいですかー、皆様が、裁判員ですよー。おーけーどぅゆーあんだすたーん?」
鳴海「ちなみに拷問というのは裁判長の戯言ですので皆様聞き流してくださいねー。なお、この裁判は実際の裁判と全く違うやり方で進行しますが、わざとやっておりますのでご了承ください」
松岡「それではお待ちかね、今回の事件の容疑者と弁護人の紹介でーす、まずは青コーナー! 容疑者の村元君に、弁護人の久城君でーす」
村元「はーい……って、あのー松岡さん、なんで僕は呼び出されてるんです? 僕が何か悪いことしたんですか?」
松岡「だまらっしゃい! それは後で裁判員の皆さんに判断してもらいます!」
村元「えー……はぁ、全く強引だなぁ……」
松岡「ハイ、それでは続いて赤コーナー! 容疑者の高橋さんに、弁護人の山本君でーす」
高橋「あのさぁ松岡、こんな裁判開くとか、あんた一体何のつもり?」
松岡「だまらっしゃい! これは私の私による私のための裁判よ!」
山本「お前はリンカーンか!」
松岡「……いや、リンカーンはこんなひどいこと言わないでしょ?」
一同「お前が言うな!」
松岡「言うね言うね、超言うね、なぜなら私は裁判長! 私がここのルールなのさ!」
高橋「はっ……どーでもいいけど、さっさと始めて早く終わりましょーよー。だいたい、時間の無駄よこんなの。残虐極まりない事件とか、私知らないし」
松岡「では早速、開廷のお時間です!」

ピコピコ

松岡「えー、あの凄惨な事件は昨日の放課後に発生しました。私、松岡桜が帰宅しようとした時、学校の駐輪場に置いておいたはずの私の自転車に異変が起きていたのです! ……そう、私の自転車のサドルが、あろうことかチョコレートケーキに変わっていたのです……!!」
一同「はぁ!?」
松岡「わかりますかチョコレートケーキですよ、チョコレイトケイク! 自転車のサドルが、チョコレートケーキに変わっていたんですよ、なんという卑劣な犯行……」
久城「お客様ー、お客様の中にー、彼女の言っていることが理解できる方はいらっしゃいますかー!?」
村元「お客様ー、お客様の中にー、お医者様はいらっしゃいませんかー!?」
松岡「だまらっしゃいそこのカップル! 息ぴったりだな!」
久村「誰がカップルじゃ!」
一同「息ぴったりじゃねえか!」
村元「いや、息がぴったりだからって、付き合ってるのとは別だろ? なあ久城、お前もあいつらになんか言ってやれよ!」
久城「俺達はまだ付き合ってないぞ!」
村元「そうだそうだ……うん?」
久城「裁判長、説明を続けてください! 我々でも理解がしやすいように、もっと詳しく説明をお願いします!」
松岡「え、あ、はい……って、さっきの説明の通りです。昨日の放課後、私の自転車のサドルが、丸々チョコレートケーキになっていた……それがこの事件の全てです! おーけー!?」
久城「お、おーけー!」
松岡「はいおっけー!」
山本「おい松岡ー、これでもし、犯人がわかったら、どうすんだよ?」
松岡「そりゃぁ……犯人とわかり次第こちらの処刑刀で、打ち首に処したいと思いまーす」
山本「はぁ、打ち首?! ……ちょ、その刀どっから持ってきた!?」
松岡「あーこれ? 演劇部に借りたのー、さっき砥石で砥いでおいたから切れ味抜群だよー」
山本「はーい、僕は普通に銃刀法違反だと思いまーす」
松岡「大丈夫大丈夫、全部終わったらまた元に戻すからばれないのさ!」
山本「証拠隠滅だ! こいつ、証拠隠滅を図ろうとしているぞ!!」
松岡「ばれなきゃ犯罪じゃないんですよ!」
一同「犯罪だよ!」
松岡「はいはーい静粛にー。言うこと聞かない人はこれでピコピコするよー」
久城「はーい、質問でーす」
松岡「なんですか久城君。久城君だけに、苦情を言う気ですか?」
久城「……いや、どうやって容疑者をこの二人を絞り込んだのかなー……と」
松岡「容疑者の選定は、私個人の厳正なる、独断と偏見と思い込みで行いました」
高村「お前最悪だな!?」
鳴海「しかし意外と理にかなっていたので僕も採用しました。裁判長、選定理由を」
松岡「えー、まず青コーナーの村元君。こいつ、我ら調理部の中で、三年のくせに一番料理が下手というある意味逸材なんですよー」
村元「得意料理はカップ麺……じゃなくて、卵の消し炭です☆」
山本「カップ麺の方がまだましだよ!」
松岡「そんな才能の無い彼をさげすんだ私は、部活のたびに彼をいびり倒していました。そんなことやってたら、私は彼に嫌われても仕方が無いよね?」
村元「自覚あったんですか……?」
松岡「ほら嫌われてるー……よって、こいつは私のいつもの嫌がらせに腹が立って、私のサドルをチョコレートケーキにしたものと私は考えました!」
久城「どっちが悪い奴かわからなくなりそうだぜ……」
鳴海「えっと、弁護人の久城君ですが、村元君の唯一の友達です」
村元「うんうん、僕と一緒に料理してくれる男子なんて久城ぐらいだもんな」
久城「え、俺そんなつもりじゃなかったんだけど……(引き」
村元「そんな、僕と君の友情は……(ごたごた」
松岡「はいだまらっしゃい!」

松岡は村元と久城をピコピコする

松岡「では、気を取り直しましてハイ次ー、赤コーナーの高橋さん。えー、高橋さんは我ら調理部の部長ですが、私の方が圧倒的に料理の腕は上です。なんで彼女が部長になったのか非常に理解がしがたいです」
一同「お前がそんな性格だからだよ!!」
松岡「まあまあ、そんな高橋部長は、才能の差を感じて私に嫉妬、それ故にこのような卑劣な行為を思いつき、実行に移したものと私は考えました!」

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