(せみ)
初演日:2016/3 作者:穂村一彦
【役者】6人(男4、女2)(+ナンパする相手の蝉(女)0〜3人)

1.夏  野:せっかちな蝉。早口
2.ヒグラシ:のんびりやな蝉
3.アブラヤ:かっこつけな蝉。痛いファッション
      サングラスに白スーツとか革ジャンとかラメ入りとか。
4.働きアリ:けなげな少女
5.女王アリ:女王様。ムチを持っている
6.少  年:虫捕り網と麦わら帽子

(3人がナンパする相手の蝉は実際にいてもマイムでもいい)

昆虫の衣装は自由。羽根、触覚を付けてもいいし、つけなくてもいい。

【上演時間】20分

【あらすじ】
「早くナンパにいくぞ! 時間ないんだ! 俺たちセミは一週間で死ぬんだからな!」
 せっかちな蝉と、のんびり屋の蝉と、クールな蝉。ナンパをするけど、失敗ばかり。
 そこに来たのは、かわいいアリの女の子。
 さらに虫たちの天敵、虫捕り大好きな人間の少年も現れて……
 3匹ははたして恋人を見つけることができるのか!?

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【開幕】
(効果音「蝉鳴き声」)
  
夏  野「あー、もう! 何やってんだあいつらは、いつまで待たせるんだよ、
     あーもう夏終わっちまうよ、終わっちまうじゃねーか、
     準備にどんだけかかってんだ」
ヒグラシ「お〜い、夏野〜。よー、おまたせ」
夏  野「ヒグラシ! てめーおまたせじゃねーよ、呑気にノロノロやってきやがって、
     何やってたんだよ、せめてもうちょいすまなそうな顔しろよ、まず謝れよ。
     ああ、もういいよ、こんな会話してる時間もおしいんだよ。
     で? アブラヤは? お前一緒じゃなかったのか? あいつどこだよ?」
ヒグラシ「…………」
夏  野「おい、きいてんのか?」
ヒグラシ「えーっと……遅れてごめん」
夏  野「おせーよ、もうその話は終わったんだよ、それよりアブラヤはどこだよ?」
ヒグラシ「いや、ぼくも知らないよ?」
夏  野「マジかよ、あいつ信じらんねえ、
     もういい、待ってらんねーよ、先始めるぞ、よしいくぞ」
ヒグラシ「あ、ちょっと待って。靴ひもほどけてた」
夏  野「あー?靴ひも?あー、わかったよ、じゃあ早く結べよ、
     あーもう何かにつけてすっとろいな、ほんとに、おまえは。
     でもまぁお前も気が長いけど、俺も俺でたいがいだよ、
     よくもまぁ嫌にならずにお前の友人やってると思うよ、
     まぁしょうがねえな、子どものころからずっと隣に住んでて、
     まァ腐れ縁ってやつだな、なんの因果かね、なんで俺がこんなやつの面倒を、
     早く結べよ!!」
ヒグラシ「え?」
夏  野「なんでじっと聞いてんだよ!」
ヒグラシ「いや、なんか喋ってたから」
夏  野「聞きながらでも靴ひもくらい結べるだろ!
     お前さあ、ほんと分かってる? 俺らの状況。時間ねーんだぞ、もう。
     俺たち蝉は、一週間後に死ぬんだからな?」
ヒグラシ「わかってるよ」
夏  野「ほんとにわかってんのかよ。恋人見つける気あんのか?」
ヒグラシ「あるって」
夏  野「よーし、じゃ、さっそくナンパして来いよ」
ヒグラシ「え、ぼくから?」
夏  野「お前が早く恋人見つけないと俺も安心して自分の恋人探せられないんだよ。
     えっと、あ、ほら、あのことか、あれいいだろ、声かけてこいよ」
ヒグラシ「え、ええ〜、ごめん、ちょっと待って」
夏  野「なんだよ?」
ヒグラシ「まだ心の準備が……」
夏  野「心の準備は土の中でしとけよ! じゃあ七年間ずっと何やってたんだよ?
     いいから、早く行ってこい!」

(女ゼミ1 または、いると想定してのマイム)

ヒグラシ「あ、あの、すみません! えっと、メールアドレス交換してもらえませんか?
     あ、ありがとうございます! はい、じゃあまた!」

ヒグラシ「やった! 交換してもらった!」

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