みたらしだいこんは私
 みたらしだいこんは私

 おしゃれな料理屋。女が二人食事している。

A「だからひどいのよ。あいつ」
B「おー。食え食え」
A「なんで知らないうちに彼女できてるのよ」
B「あんた、彼女知ってるの?」
A「知らないわよ。聞きたくもないし」
B「あー。知らないんだ」
A「私はあいつの事こんなに愛してるのに、なんで付き合っちゃうわけ?」
B「告ればよかったじゃない」
A「そんなことできないわよ。だってあいつ私の事ブスだって言うのよ」
B「そりゃーひどい」
A「ほんとないわよ。だから私頑張ってたのよ。ダイエット」
B「ダイエットしてたの?」
A「してたわよ。見て、この足。細くなったと思わない?」
B「わー。すごい。細くなった。細くなった」
A「いいエステ見つけたのよ。ちょっと高いんだけどね、あそこ、わたしにあってるみたい。足は細くなるし、肌はツルツルになるし、いいことづくめよ」
B「太いの気にしてたもんね」
A「そうよ!前は大根よ、大根。でも、もう大根だなんて言わせないわ」
B「てか、あんた、食べすぎじゃない?」
A「えっ?」
B「ダイエットしてるんじゃなかった?」
A「大丈夫よ。これ、大根サラダ。大根はカロリー低いし、ヘルシーだから。あ。ちょっと店員さんすみません。マヨネーズ無くなったんでください」
B「あんた、マヨネーズ好きねー」
A「だってヘルシーじゃない。やっぱり大根サラダよね。大根って美肌にもいいんだって」
B「へー。それ、どこ情報?」
A「ミヤネ屋!」
B「やっぱり」
A「ミヤネ屋いいわよー。私、ミヤネ屋あってるみたい」
B「なに?なんかあったの?」
A「この前、大根パックためしてみたの」
B「大根パック?」
A「大根をすりおろして顔につけて寝るの」
B「は?」
A「これがお肌にいいんだから。モチ肌ツルツルになるんだって。ほら、触ってみて」
B「あ。ホント。ツルツル」
A「でしょー。すごいんだから。大根パック」
B「私も試してみようかなー」
A「あんたもぜひやってみなさいよ。大根をすりおろしてお肌につけてねるだけ。簡単だから。そのあと食べれば無駄にならないし」
B「はっ?食べる?」
A「うん。もったいないじゃない?」
B「えっ?」
A「そのまま捨てるのはもったいないでしょ。だから、私、食べることにしたの」
B「大根を?」
A「うん」
B「大根パックの大根を?」
A「おいしいわよ。塩味して」
B「わたし、遠慮しておくわ」
A「大丈夫よ。大根はヘルシーだから」
B「そういう問題じゃなく」
A「そう。おすすめなのに」
B「この大根サラダ。あと食べていいわよ」
A「えっ?いいの?」
B「うん。なんか食べたくなくなった」
A「ダイエット?」
B「ううん。違う」
A「あ。そう。なら、いただきます」
B「うん。どおぞ」
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