歌舞伎デカ 前田刑事

(かぶきでかまえだけいじ)
初演日:2014/8 作者:清野 和也
「歌舞伎デカ 前田刑事」

作:清野 和也(劇団120○EN)

 登場人物

  [現代の人びと]
  前田 刑事:主人公。少年課の刑事。

  アゲスギ1〜3:地元の不良グループ「アゲスギ」の3人

  伊達竜1〜3:地元の不良グループ「伊達竜」の3人

  ※アゲスギ1〜3、伊達竜1〜3は、戦国時代の人々も兼任可能。
   また、物語の関係上、伊達竜1と政宗は同じ人にすること


  [戦国時代の人々]
  <上杉軍>
  本庄 繁長:福島城城主

  直江 兼続:上杉軍軍師

  上杉 景勝:上杉家大名 

  岡 左内:上杉軍

  藤内 彦十郎:小手六十三騎。上杉家家臣


  <伊達軍>
  伊達 政宗:伊達家大名

  片倉 小十郎:伊達家軍師

  黒脛巾組 草:伊達軍お抱え忍び


  <最上軍>
  最上 義光:最上家大名(本庄と兼任可能)

  黒子最低3名(伊達軍、最上軍その他多数)
  ※参考)上演時最上軍の黒子は、直江、本庄、岡で行った
   それ以外の上杉軍、伊達軍の黒子は黒子役の三名が行った



     ◆1場
      物語は、戦国時代の信夫福島。小手郷村からはじまる。
      小手郷村に住む少年、彦十郎が客席に向かって話しかける


彦十郎  ねぇ、前田慶次って知ってる…? そう、天下の傾奇者!伝説の英雄!みんなは桃太郎
     や、金太郎みたいにお伽話の主人公だって思ってるけど…。
     でもね、僕知ってるんだ。前田慶次は本当にいるってこと。ほんとだよ?父ちゃんがその     時の刀を持ってるんだ!
     困ったことがあったら、いつでも呼んでねって、慶次はそういった。弱きを助け強きをく
     じく。正義を貫き、悪を討つ。
     僕もそんな男になりたい。誰かを助けられる強さが欲しい。前田慶次! 前田慶次!!


      彦十郎がはけると、雷雨の音。不気味な音楽が流れる中、小手郷の村の人々が苦しみな
      がら出てきて、力尽きる。その中には彦十郎の父親も。
      そこに抜き身の刀を持った伊達政宗が登場する


彦父   貴様… 政宗…!

政宗   ・・・(無言でトドメをさす)


      彦父絶命。政宗虫けらを見るような顔で村人達の死体を眺めはける。
      彦父、振り絞った力で誰かに託すように刀を前へと差し出し力尽きる。

      彦十郎、村の中へ入ってくる。惨状に呆然と立ち尽くす。
      横たわる父親を見つけて駆け寄り


彦十郎  父ちゃん…! 父ちゃん…!!


      彦十郎、父が死ぬ間際に差し出した刀に気づきそれを握って


彦十郎  …慶次。…慶次!! 助けて… 助けて、前田慶次!!


       しかし、その願いは届かない。彦十郎、慶次を呼びながらはける


     彦十郎がはけるとテーマソングが流れる。
     テーマソングに合わせて物語の登場人物達が舞台上に現れて、走ってはけていく


       テーマソング「燃え上がれ JAPAN列島」が流れる中で
     舞台転換。舞台は2場の信夫山公園へ

     <参考:燃え上がれ JAPAN列島の歌詞>
     Get Up! (Get Up!) Get Up! (Get Up!)
     Let's Start The KABUKI KABUKI WAY

     Baby... もう寝ぼけてる 暇なんざねえのさ
     Dawn... 戦乱の夜明けが やってきたのさ

     常識なんざ 通用しねぇ NO MORE
     泣き言 言ってる 暇はないから
     熱いソウル 貫け

     歌舞伎デカ 宴の始まり 武士(もののふ)の舞
     歌舞伎デカ 燃え上がれ Japan列島
     歌舞伎デカ いざ 征かん
     MAEDA MAEDA MAEDA KEIJI! (BAAAAAAAN!!!)


    ◆2場
     場面は一転し、現代の福島市。
     信夫山公園にて、不良グループ「アゲスギ」と、「伊達竜」の抗争。
     ウェスト・サイド・ストーリーのオマージュ。
     両者ともに、指スナップをしながら入ってきて、睨み合ってから

アゲスギ1 おうおうおうおうおう!!

伊達竜1  おうおうおうおうおうおう!

アゲスギ2 てめぇら! この信夫山公園は俺たち

アゲスギの皆さん アゲスギのもんだ!

アゲスギ1 あげすぎ〜

アゲスギの皆さん YEAHHHH!

伊達竜2 なにいっちゃっちゃっちゃってるわけ〜?

伊達竜1 ここは、元々俺たち

伊達竜の皆さん 伊達竜のもんだ!

伊達竜1 だ〜て〜

伊達竜の皆さん りゅ〜! Fuuuu!!!

伊達竜1&アゲスギ1 やっちまえ〜!


     再び音楽が流れ、音楽に合わせて互いを挑発する。
     しかし、誰も実際に戦おうとはしない


アゲスギ1 どうしたお前ら!

伊達竜1  やっちまえー!

アゲスギ2 いけいけ〜!

伊達竜2  やれやれ〜!

アゲスギ3 お前、いけよ!

アゲスギ2 俺は、いいよ、そういうの

伊達竜3  チャンスだぞ、チャンス

伊達竜2  俺、軍師タイプだし

伊達竜   ・・・

アゲスギ  ・・・

伊達竜1  わかった、ここは!

アゲスギ1 リーダー同士の一騎打ちといこうじゃねぇか!

伊達竜1  はっ!

アゲスギ1 はっ!!


     ト伊達竜1とアゲスギ1の牽制し合いが始まる
     なかなか手出しをしない2人に周囲がしびれをきらして

伊達竜2,3  いけえええええ!!
アゲスギ2,3 やれえええええ!!

     トそこに前田刑事が登場

前田    お前ら!! 何をやってる!

アゲスギ2 何だ!?

伊達竜2  誰だ!?

アゲスギ3 どこだー!?

前田    ここだ〜!

伊達竜1  やべぇ! 刑事だ!

アゲスギ2 前田だ!

全員    前田刑事だ〜!!

前田    (警察手帳を出しながら)お前ら、全員、署まで来てもらおうか

伊達竜1  逃げろ、ずらかれ〜!

アゲスギ1 お前ら! いけ!

前田    はいはい、待て待て、待てーってな…


     散リ散りに逃げる伊達竜とアゲスギ達

     前田、追うことは特別しない


前田   はーーー!もう、クソッタレ。
     なんで、刑事になったってのにあんなガキどもの面倒を見なきゃいけねぇんだよ…


     ト不良たちが去った後でタバコを吸い始める前田。

     ふと見ると、不良の一人が残していった大きなバッグが残されている。


伊達竜1 ・・・(こそこそ戻ってくる)

前田   お前のか、これ

伊達竜1 うあああ! お前! 見るなよ! 絶対に見るなよ!

前田   あらためさせてもらう

伊達竜1 やめろよ! プライバシー侵害だろ!

前田   うっせぇ。俺は刑事だ(ト警察手帳を取り出す)

伊達竜1 刑事なら何してもいいのかよ!

前田   やばいもん入ってんだろ。これ

伊達竜1 入ってねえよ!

前田   うっせえ、逮捕すっぞ

伊達竜1 やめてくれよ! 母ちゃん泣くだろ!

前田   わかったわかった

伊達竜1 だいたいよー、お前、刑事なんだろ?もっとでかい山とか、捜査しろよ!
     俺のバッグの中身じゃ、日本は変わらねえよ?

前田   俺だって、本当はそういう事件、解決してぇよ、アホんだら。

伊達竜1 刑事がアホって言っていいのかよ

前田   お前らみたいな善良じゃねぇ市民には良いんだよ。こっちだって好きで子守してるわけじ
     ゃねぇの!あーあー。俺も日本を揺るがす難事件解決してえー

伊達竜1 じゃあ、それはいいだろ

前田   ああ? んなわけねぇだろ、アホんだら

伊達竜1 …見て、腰抜かすなよ

前田   ・・・


     前田、伊達竜1のバッグの中身を取り出す。


前田   (バッグから特攻服を取り出して)お前、なんつうもの着ようとしてんだよ…

伊達竜1 母ちゃんが夜なべしてな。伊達だろ?

前田   伊達って… 使い方勉強しなおせ

伊達竜1 勉強しろって、母ちゃんがそれ

前田   (信長の野望の攻略本を取り出して)これは、ゲームの攻略本だ、アホんだら

伊達竜1 なんだっていいんだよ! 伊達だろ?

前田   ったく… あとは… 花火と…

伊達竜1 夏の終わりだからな、母ちゃんがくれた

前田   カットバン?

伊達竜1 怪我したら大変だからって母ちゃんが

前田   防犯ブザー?

伊達竜1 なんかあったら、鳴らせって母ちゃんが

前田   目覚まし時計?

伊達竜1 寝坊しないようにって

前田   アレな本

伊達竜1 あーー! やめろやめろ!

前田   うわうわうわー! お前、コレ見られたくなかっただけ?

伊達竜1 彼女いないからって母ちゃんが

前田   過保護じゃねぇかな… お前の母ちゃん

伊達竜1 うるせえ! もう、やめろヨォ…

前田   …何だ、これ?(ト鉄の塊(小刀)を取り出して)

伊達竜1 やめろ! それは、ダメ!


     ト伊達竜1が取り返しに行く。前田それを振り払って


前田   …刀?

伊達竜1 やめろって

前田   黙ってろって… これ、どうしたんだ

伊達竜1 拾った

前田   どこで?

伊達竜1 信夫山に落ちてたんだよ!

前田   信夫山の何処だ

伊達竜1 お墓いっぱいあるところあんだろ。あそこから少し行くとでっかい柏の木があんだよ。そ
     こに隠れてる、ちっちゃい祠の中に…

前田   お前、それ神社かなんかだろ

伊達竜1 えー!? だって、荒れ放題だったぜ!?

前田   うわ、うわ、お前、呪われるー!

伊達竜1 いやいやいやいや! マジで、マジでもうそれ放置だったから。もうほとんど落ちてたん
     だよ!

前田   おとしものは警察に届けろ

伊達竜1 うっせぇな… なあ、高いかな?それ?

前田   あ? 知らねぇよ

伊達竜1 もしさ、それ、高いやつだったらよ、俺、母ちゃんに美味いもの食わしてやりてぇんだ…

前田   お前な… まぁ、これはとりあえず署に持ってく

伊達竜1 そうやって、お前! あれだろ!お宝鑑定団に出して、独り占めしようとしてんだろ

前田   そんなことしねぇよ

伊達竜1 いいや、そうだね! うわー!(ト刀を奪おうとする)

前田   やめろって、ほら、ちゃんと、バッグも返すから


     あーだこーだ引っ張り合いをして、2人は刀を落としてしまう
     するとどこからか、少年の声が聞こえてくる


彦十郎  助けて… 助けて… 前田慶次…

前田   !? なんだ…?

伊達竜1 声…!? なんか言ってるぞ…

彦十郎  助けて、前田慶次…

前田   …俺を、呼んでる?


     次第にその声に混じり武士達の鬨の声が聞こえる


伊達竜1 …うわ、うわあああ


     伊達竜1はびびってはける。前田、辺りをうかがう。
      その声は徐々大きくなっていく
      突然彦十郎が現れ前田に駆け寄ってきて


彦十郎  助けて! 前田慶次!!

前田   あ? 誰だ、お前

彦十郎  …前田、慶次…?

前田   ああ、俺は刑事だが…

彦十郎  助けて!!

前田   …あ?


     舞台に彦十郎を追ってきた戦国武者たち(最上1〜3:黒子)が現れる


前田   なんだ!? なんだ、お前ら!!

   
      最上軍に取り囲まれる前田


最上1  貴様! 最上 or 上杉??

前田   コスプレ、それ?

最上2  最上か、上杉かって聞いてんだよ!

前田   俺は、前田だ

最上3  前田!?

最上1  前田とはまさか… あの…

最上2  その見慣れぬ格好… そうか…

最上3  前田… 慶次!?

前田   おう… よく知ってるな。

最上軍  げー!!!

前田   お前ら、寄ってたかってガキンチョいじめて…しょうもねぇな。…おう、お前、先行け

彦十郎  え!? でも…

前田   邪魔だって言ってんだよ

彦十郎  …わかった。ありがとう、前田慶次…


     彦十郎はける。彦十郎の声がけに「やっぱり前田慶次か」とがっくりする三人


最上1  前田慶次に出くわすとは・・・

最上2  俺達も運が無い…

最上3  いやしかし、その首、落とせば!

最上1  万年、名無しの一兵卒とはお別れだ!

最上2  いくぞ! 最上、トライアングル!


     最上三兵で、前田に襲いかかる。前田、服のみ斬られる


前田   ぬあああ! 俺の一張羅が!?お前ら…!!!お前らな、本当に分かってんのか!
     俺は、俺は刑事だぞ!この手帳が目に入らねぇのか!(ト警察手帳を取り出す)

最上1  それは!

最上2  まさか!

最上3  噂の!

前田   警察手帳だ!!! はっはっはっは!お前ら、全員署まで来てもらおうか!

最上1〜3 うわああああ!! に、にげろ〜!!

前田   はっはっは!

最上1  待て!

最上2  待て!

最上3  待たない!けいさつとかやばいよ!

最上1  お前、けいさつって知ってる?

最上2  あれだろ!相手の軍勢の数とかをこっそり

最上1  それ偵察!

最上3  失敗して頭丸める

最上1  それ剃髪!

最上2  理由は、つい、うっかり!

最上1  軽率!

最上3  処断され、あっという間に

最上1  お陀仏

最上2  骸骨

最上1〜3 南無三!

前田   いやいやいやいや、警察! 警察!ほら、手帳バーーン!

最上1〜3 ・・・

前田   え?警察よ、警察。知らないの?ポリス! ポリス!

最上1  なんだかよくわかんねぇけど

最上2  やっちまうか!

最上3  やっちまおう!

最上1〜3 南無三!


     ト襲い掛かる三人。しかし張り切る三人は、互いの足を引っ張り合い自滅


前田   なんだ、あのアホども…。あーあ。俺の一張羅。リンゴみたいになって…。
     …とりあえず、服。


     ト前田、バッグに気づく。


前田   癪だけど、借りるか


     前田木の影に隠れ着替えタイム。
     そこに、直江兼続がよろよろとした足取りで入ってくる。
     続けて、伝令が走ってきて


伝令   ご報告いたします。関ヶ原にて石田三成殿、敗走との報せ

兼続   もはやこれまでか…

伝令   兼続殿…

兼続   人払いを。一人にさせてくれ

伝令   はっ

兼続   (刀を抜き、ゆっくりと自刃しようとする兼続)これも戦国の世の定め。


     トそこに特攻服を着た前田刑事登場


前田   そこの愛のメガネ!何してんだ!

兼続   !? …貴様、まさか… 前田慶次…

前田   なぜ、俺のことを!?

兼続   そんな格好をしているのはお前くらいしかいない、馬鹿者が

前田   お前、勘違いだわ、それ絶対

兼続   そんな格好で戦場をうろつくなど

前田   は?

兼続   噂には聞いていたが… 傾いてるな、

前田   え?何?

兼続   …ひとりにしてくれ

前田   …なぁ、お前ら、持ってるそれ…(刀をさして)なに、それ。

兼続   (刀を見て)…光成も負けた。我々も負けた。もはや、上杉家もこれまで

前田   話聞け

兼続   なんだ

前田   その日本刀、本物?

兼続   当たり前だ
 
前田   マジかよ!?(腰の拳銃に手を伸ばして)

兼続   止めてくれるな!慶次!

前田   黙れ! 動くな!

兼続   慶次なら解ってくれるだろう…

前田   刑事だから許すわけにはいかない!

兼続   何故!?

前田   決まっているから!日本の法律で!!

兼続   日ノ本の、定め、と申すか

前田   そう!!

兼続   それは誰が決めたものだ!

前田   え!? 知らん。国! この国!!

兼続   この日ノ本が― 私に、この刀を置けと!?

前田   そう!! 黙って置け!!

兼続   …分かった、慶次

前田   そうだ、おとなしくー

兼続   私は!! 生きる!!!

前田   黙れと言っているんだ!!

兼続   戦場ということをついつい忘れてしまった

前田   いいから、黙れ!

兼続   ははははは!

前田   そう! それ、刑事さんに渡して

兼続   慶次!お前がこの刀を受け取ってくれるのか!!

前田   うん、それが仕事だから

兼続   そうか… 分かった…!! わかったぞ…! それでは、託す!!!

前田   うるせえ、あんたいちいち…

兼続   …殿(しんがり)を、託すぞ。慶次。武運を!

前田   は?


     兼続、前田を置いてはける


前田   おい! おい! なんだあいつ…


    トそこに最上義光登場


義光   その出で立ち名のある武将とお見受けする。

前田   次々なんだよ!!

義光   最上義光。最上軍の総大将だ。一戦願おう


     最上(鉄の棒)と、前田の殺陣。容赦のない最上の攻撃に前田拳銃を抜き、撃ちこむ。
     銃弾は、義光の兜に。義光は踏みとどまる。前田、恐れて逃走する。
     追おうとする義光だが、そこに政宗と小十郎登場】


小十郎  最上殿、怪我はないか

義光   ああ、こんな至近距離で鉄砲など…

政宗   あー 最上は弱ェな… 最上殿

義光   …政宗

政宗   結局、上杉をとり逃しちまった

義光   伊軍がもう少し早く動いてくれれば、話は違ったのかもしれないなぁ。戦の決着がついた
     ころにのこのこと現れて

政宗   はっ! 俺にとっちゃ、山形が最上になろうが、上杉になろうが関係ないからなぁ。無駄
     なダメージは避けたい

義光   山形城にはお前の母親もいるというのにか

政宗   知らん。…小十郎、あの白い服の男

小十郎  おそらくは、前田慶次。天下の傾奇者

政宗   伝説だと思っていたが、本当にいるとはな

小十郎  一騎当千の猛者。上杉軍にいるとは噂されておりましたが…その姿を見たものはいない…
     と
義光   あれが… 前田慶次。
政宗   …ま、この独眼竜の敵じゃねぇけどな。攻めるぞ、小十郎。敗北で上杉が浮足立ってるう
     ちに
小十郎  はっ
義光   信夫福島か
政宗   戻るぞ、すぐに、戦だ


     小十郎、政宗、義光はける


    ◆三場

     戦場にて。上下からすごい勢いで逃げていくる彦十郎と刑事。舞台中央で再開して


彦十郎  慶次! 慶次!!

前田   ああ… 無事だったのか

彦十郎  さっきはありがとう

前田   おい! さっきの、なんだ、あれ!

彦十郎  さっきの??

前田   何処だ、ここは!

彦十郎  ここは、長谷堂だけど…

前田   長谷堂?

彦十郎  出羽国さ

前田   出羽… ってのは、山形…?

彦十郎  ???

前田   …おい。お前、これが何か解るか?(ト警察手帳を取り出して)

彦十郎  え! …あれでしょ! 歌舞伎御免状!太閤秀吉にもらったっていう!

前田   太閤秀吉。…豊臣秀吉…?

彦十郎  え? うん??

前田   ちょ、待ってくれる?

彦十郎  何??

前田   …今、何年?

彦十郎  えっと慶長5年

前田   西暦で言ってくれる?

彦十郎  せいれき…??

前田   2014年だよな

彦十郎  え?

前田   …(がさがさと鞄の中身を取り出して)これ、何か解る?

彦十郎  何これ…? 初めて見るものばかりだ…

前田   あああ!?

彦十郎  書物…。糸で綴られてない…

前田   …(攻略本を見ながら)。なあ、お前


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