私が犯人じゃないっていう証拠でもあるのか!

(わたしがはんにんじゃないっていうしょうこでもあるのか!)
初演日:2015/2 作者:上杉政徳
戯曲奏者 第3回公演用脚本 作・上杉政徳


【 私が犯人じゃないっていう証拠でもあるのか! 】


◆登場人物  ( )内は性別にこだわらない。脚本上はこっちのつもりで書いてます。

◇大木・・・♂・・・ベテラン刑事。やる気なし。正義感なし。責任感は多少ある。
◇若葉・・・♀・・・新人刑事。やる気と正義感に満ちているが割とおバカちゃん。
◇栗田・・・♂・・・大木と若葉の上司。部下からの信頼が厚い。仕事できる系の人。
◇金城・・・(♀)・・埋蔵品コレクターで大富豪。成金ではなく、知能が高い感じ。
◇阿藤・・・(♂)・・いわゆる普通の人。お調子者。
◇加藤・・・(♀)・・ちょっと賢い人。サバサバ系、演技派。
◇佐藤・・・(♀)・・天然系。自分大好きな感じ。
◇山崎・・・(♂)・・根暗。友達が少ない。その少数を離したくない感じ。


◆舞台(初演時、参考までに)

◇舞台中央に机が1つとパイプ椅子が2つ
◇机を中心に上手から下手まで等間隔で放射状に平台3x6が4枚
◇平台の上にパイプ椅子が各1脚。
◇平台の後ろに木枠のオブジェを各1台。

◆小道具一覧(初演時、参考までに)

電子タバコ、灰皿、タバコの空箱、火が点かないライター、パズル雑誌、ボールペン
手帳、調書、携帯7個、ノートパソコン、調査資料、ゴミ箱、空ペットボトル5本
手錠、腕時計、シケモク、車の鍵、未開封のタバコ





◇第1場◇

◆警察署内。タバコを口に雑誌を見ている大木。手帳を見つめてブツブツ言っている若葉。

若葉『先輩、準備完了しました。』
大木『よし、報告してみろ。』
若葉『はい。現在捜査している爆破事件について、報告します。』
大木『おう。』
若葉『事件があったのは今日から丁度3ヶ月前、11月8日の夜11時頃、大きな爆発音がして近所の家が燃えていると通報がありました。』
大木『ああ。』
若葉『爆発した家には人がいなかったようで、怪我人はいませんでした。』
大木『それはよかった。周りの家は。』
若葉『実際に燃えていたのは被害者宅の敷地内にある倉庫で、広〜い土地の中に建っていたため、他の建物に燃え移ることはありませんでした。』
大木『…20点。』
若葉『えー、なんでですか。ちゃんと説明できたでしょう。』
大木『若葉、俺が出した宿題は最近あった事件をお前なりにまとめて報告しろ、だよな。』
若葉『そうですよ?だから3ヶ月前の爆破事件を(こうやってまとめて)』
大木『あれは事故だ。家の持ち主が自分の不注意だったと言ってただろが。』
若葉『大木さん、その後の展開知らないんですか?』
大木『その持ち主が有名な大富豪だったんだろ?豪邸を建てて引越しをした直後の事故。どうせ取り壊す予定だったから問題ないとか言ってたらしいな。』
若葉『もっと後のことですよ。被害者の金城は埋蔵物コレクターとして有名なんですが。』
大木『埋蔵物?』
若葉『埋蔵金伝説って聞いたことないですか?昔のお金とか、金銀宝石、埋もれた財宝のことです。』
大木『あぁ、おとぎ話か。』
若葉『その埋蔵金伝説の1つ。大久保の埋蔵品に数年前から懸賞金を掛けてたんです。』
大木『誰が?』
若葉『被害者の、金城が。』
大木『ふーん。』
若葉『あれ?興味ないですか?』
大木『大久保の、なんて聞いたことないからな。見つかっても大した額じゃないんだろ。』
若葉『掛けられた懸賞金、なんと100億。』
大木『100億ねー。』
若葉『驚いてくださいよ。100億ですよ?』
大木『秀吉の埋蔵金伝説知ってるか?』
若葉『金塊と小判が…なんちゃらかんちゃらですよね?』
大木『その金塊だけで、5兆円以上。』
若葉『ふーん。』
大木『なんだよ。驚けよ。』
若葉『だってただの噂でしょ?まだ見つかってないんですよね?』
大木『その通りだ。で、報告の続きは。』
若葉『被害に遭った金城の家を解体中、倉庫の下から大久保の埋蔵品が見つかりました。』
大木『は!?』
若葉『ね!ね!驚いたでしょ!』
大木『た、例え宝が見つかったところで、これは事故だ。』
若葉『それが大事件になったんですよ。』
大木『宝の取り合いでか?』
若葉『いえ、宝が見つかった後、金城がマスコミからのインタビューで言ったんです。
   警察には自分の不注意だと言ったが、どう思い出しても自分のせいだとは思えない。
私の家を爆破した犯人よ。正直に名乗り出てきてほしい。あの宝が見つかったのは君のおかげだ。懸賞金は君の物だ。ってね。』
大木『なんだそれ。』
若葉『面倒だから事故ってことにしたけど、本当は事件だったってことです。もう捜査も始まるらしいですよ。真面目な刑事ならみんな知ってますけどね。』
大木『自分の担当する事件だけ知ってればいいんだよ。ひったくり事件はどうなった。』
若葉『大木さんが宿題だって言ったんじゃないですか。』
大木『いいか若葉、宿題ってのはやることが終わってからやるもんだ。ひったくりは。』
若葉『はいはい。聞き込み行ってきます。』

◆栗田がやってくる。

若葉『あ、おはようございます。』
大木『おはようございます。』
栗田『おはよう。大木、若葉、大富豪の爆破事件は知ってるか?』
若葉『はい。今その話をしてました。』
大木『俺は知りませんでしたけどね。栗田さんが担当になったんですか?』
栗田『担当は私じゃない。お前達にやってもらおうと思ってな。』
若葉『え?』
栗田『ちょっと忙しくてな。大木、いいか?』
大木『今ひったくり事件の捜査してるんですよ。』
栗田『そんなに時間は掛からんよ。もう被疑者は自首してきた。』
若葉『じゃあ取り調べだけですか?』
大木『裏付けもな。栗田さん、他当たってもらえませんか?』
栗田『裏付けは他の誰かに行ってもらう。とりあえず取り調べだけ頼むよ。体が空いてるのがお前達だけなんだ。自首してきたやつを放っとくわけにもいかんだろう。』
大木『わかりました。取り調べだけですよ。』
栗田『助かるよ。ああ、それと被害者がこっちに向かってるそうだ。マスコミが注目してる事件だから、無茶はしないようにな。』
大木『しませんよ。』
栗田『若葉。大木をしっかり見とけよ。』
若葉『はい。』

◆栗田が去る。

大木『お目付け役か。頑張れよ。』
若葉『はい。頑張ります。痛てっ。(雑誌で叩かれる。)』

◇第2場◇

◆取調室。大木が座っている。若葉が阿藤を連れてくる。

若葉『座って下さい。』
阿藤『はい。なんか緊張しますね。』
大木『事件を起こした時よりか?』
阿藤『あ、そんなことは。』
若葉『ではまず名前と職業を(教えてください。)』
大木『なんで爆破なんてしたんだ?放火じゃダメだったのか?』
阿藤『ダメじゃないんすけど。やっぱり派手な方がいいっていうか。ね。』
若葉『ね。って言われても。では名前と職業を(教えて下さい。)』
大木『自首しようと思ったきっかけは。』
阿藤『いやー、やっぱり悪いことしちゃったなぁって、反省しまして。』
大木『犯行は何人でやった。』
阿藤『1人っす。仲間がいたら連れて来るっしょ。』
若葉『ちょっとすいません。大木さん、名前と職業から聞かせてくださいよ。』
大木『そんなもん後で裏を取る奴が確認すればいいだろ。どうせすぐ栗田さんか代わりの奴が来る。俺たちは時間を繋いでればいいんだよ。』
若葉『そんな。』

◆栗田がやってくる。

大木『ほらな。』
栗田『大木、ちょっといいか。』
大木『はい。若葉、あとは頼む。』
若葉『大木さん。』

◆栗田、大木、少し離れた場所へ移動する。若葉の携帯が鳴り、若葉が電話を始める。

大木『交代ですか?』
栗田『交代はまだできない。少し面倒なことになった。』
大木『なんですか?』
栗田『もう1人自首してきた。単独犯だそうだ。そっちは。』
大木『あいつも単独犯だって言ってましたけど。』

◆若葉が電話を持ったまま茫然としながら、栗田、大木の所へやってくる。

栗田『若葉、被疑者が2人になった。これから応援を集めるから、もうしばらく(協力してくれ)』
若葉『今、3人目が自首してきたそうです。』
大木『なに?ちょっと代われ。(電話を奪う)どういうことだって、こっちが聞きたいんだよ!』

◆栗田の携帯が鳴る。


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