よくできた妹

    登場人物

    兄(タカハシ)
    妹
    友人(シラトリ)
    声



    幕


    女子高生シラトリ(友人)の独白が始まる。


友人  あたしの名前はシラトリトモコ、恋に恋する16歳。
    今日は同じクラスのタカハシくんに、放課後うちにきてって誘われちゃった。
    クラス替えから2ヶ月半、タカハシくんとは喋ったことないけど、まさかまさかの急展開。
    まじめそーに見えてタカハシくんって、ダ・イ・タ・ン……きゃっ! 
    なんて、どきどきわくわくしながら、学校から徒歩5分のマンションに向かったあたし。
    期待と興奮を胸に、部屋に入ったあたしを迎えたのは!……凶器を持ったタカハシくんと、倒れた女の子。


    台詞の途中でタカハシ(兄)と幼い女の子(妹)の姿が現れる。
    兄は危なそうな工具(ドリル、のこぎり等)を、倒れた妹にかざしている。


友人   うわあああ!!

兄    あ、シラトリさん。

友人   近寄らないで!

兄   どうしたの?(近づく)

友人  近寄らないで、お願い近寄らないで!

兄   あ、これ?ごめんごめん、で、(どうしたの?)

友人  何も見てないよ。

兄    え?

友人   何も見てない……あたしは何も見てないんだ……

兄   大丈夫、さっきから。あ、ありがとうね。今日は(来てくれて。)

友人   タカハシくん……彼は真面目そうな人でした。未だに信じられません、嘘であってほしい……
    いや、あたしは何も見ていないわ。タカハシくんがこの女の子に襲い掛かっていたなんて

兄    そう、それなんだよ。

友人   あたしは何も見てないって!

兄    大丈夫だよ。これからたっぷり見てもらうから。

友人   いや、やめてーー!!


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