スノーマン
「スノーマン」作・ながみねひとみ

女1 姉、容姿端麗でお人よし。男にほったらかしにされるタイプ。

女2 妹、自己中心的。男を手玉にとって翻弄するタイプ。

女3 容姿に自信がないが、男には十分な愛をもらえるタイプ。

女4 ママ。女1と女2の母親、パパのことが大好き。
   
女5 ママの妹。パパと仲良し。永遠に2番目の女。

男1 女3の彼氏

男2 女1の彼氏

男3 女2の彼氏

「あなたと一緒に溶けていきたい。」

目覚めれば、庭に雪が積もっていた。
あなたはアタシと同じくらいはしゃいで…。
あなたが春に消えて。
それからアタシは一人で作ることにした。
曇ったガラス窓の向こうに見える、冷たい君に手をふる…。
「もう一つ作れば寂しくないね。」
巡り来る桜色がアタシを空っぽにする。
あぁ…思い出した…。







◆プロローグ とあるカップル。

   女5、客席に深く頭を下げる。
   公演に関しての注意事項をつらつらと述べる。
   オープニングの音楽。幕開け。
   ある冬の午後。誰かを待っている女3。
   不安そうにボリボリと手をかいている。
   オープニングの音楽は携帯の着信音だったらしい…。
   女5、電話に出る

女5 もしもし…はい、そうですけど。
   あぁ…それは私の姉のことだと思いますけど。

   男2、やってくる。

男2 ごめん!
女3 …。
男2 いやいや。ちょっと待ってよ。
女3 …。
男2 あの…携帯をトイレに落として!
女3 …。
男2 ほんと!これは、ほんと!
女3 …。
男2 いやいや!見て、見てよ!ほら、見て!
女3 …。
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