グリーフケア

(ぐりーふけあ)
初演日:2014/4 作者:本間稜
『グリーフケア』

登場人物

ショウ(♂)
ミコト(♀)
アモリ(性別不問)
(+通行人(性別不問・セリフなしのため人数にカウントしていません))


 舞台明転。ムービング。うなだれるショウが一人立っている
 そこに一人の通行人が歩いてくる。
 ショウ、通行人に声をかけるが通行人はショウを一瞥もせず通り過ぎる。
 再びうなだれるショウ。ミコトがやってきてベンチに腰掛ける。
 ショウには気づいておらず、どこかこちらも俯いている様子。
 ショウ、何度も話しかけたり目の前で手を振ったり気を引こうとするが、
 ミコトも先ほどの通行人同様、ショウを一瞥もせず立ち上がり去る。
 ショウ、ベンチに腰掛け溜息。しばらくすると立ち上がってはける。暗転。

 明転。地べたに座り込むショウ。アモリがやってくる。

アモリ「はぁ。またですか」
ショウ「……アンタか」
アモリ「ほら、そろそろ行きますよ」
ショウ「嫌だって言ってるだろ」
アモリ「なぜです?」
ショウ「やらなきゃなんないことがあるからだよ」
アモリ「それは例えば、迷える魂が成仏するより大事なことなんですか?」
ショウ「引き合いに出すものが重すぎるだろ」
アモリ「でも、私も仕事ですから。そろそろ来ていただかないと困るんですよ」
ショウ「アンタの仕事なんか知るか」
アモリ「ショウさん。いい加減認めたらどうですか?」
ショウ「じゃあ……俺がこうなっちまった原因は?」
アモリ「あぁ、豆腐の角に頭をぶつけて」
ショウ「ありえねーよ!」
アモリ「タンスの角に小指をぶつけて」
ショウ「地味すぎるわ!」
アモリ「ちょっとしたブラックジョークですよ」
ショウ「全然ブラックじゃねーよ」
アモリ「ま、どうせ死んでるんですし」
ショウ「ブラックすぎるわ!」
アモリ「でも死んでるのは事実ですよ。ジョークでも何でもありません」
ショウ「…………」
アモリ「ショウさん、あなたはもう死んだんです。一週間も前に」
ショウ「……わかってるよ、そのくらい」
アモリ「だったら早く」
ショウ「けど!」

 沈黙

アモリ「彼女さん、ですか?」
ショウ「……ああ」
アモリ「どうでもいいことで喧嘩して、ムシャクシャして、
    気が付いたら曲がり角で車が来てどっかーん! はい、あなたは死にました。
    ……ま、そんなんじゃあ確かに未練たらたらな気持ちもわかりますが」

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