嘘つき村と正直村
  嘘つき村と正直村

 【登場人物】 A・B・C・D(基本全員男)



  暗転中


A「…マジかよ〜。」


  照明が点く
  舞台上には看板がある


B「…迷った。最悪だ。どうしよう…。」
A「え、え、え?マジで?」
B「マジで。」
A「どうすんだよ!?」
B「だから、それを今考えてるんだろ?」
A「はぁ、こんな所来なきゃ良かった。」
B「何だよ、お前が来たいって言ったんだろ?」
A「言ったけどさぁ、そもそもお前が
  『この山にはマツタケがいっぱい生えてるから、採りに行こう』って言ったんだろ?」
B「言ったけどさぁ、まさかお前が乗ってくるとは思わなかったんだよ。
  『ただ採るだけじゃなくて、売って一儲けしよう』ってお前が言うからさ。」
A「言ったけどさぁ、結局まだ一本も採れてないじゃん!
  お前が『もぅ、そこらじゅうに生えてて、ほとんどマツタケの絨毯だぜ』って言ったからだろ?」
B「言ったけどさぁ、…あれ嘘だもん。」
A「はぁ!?」
B「そんなこと、あるわけ無えだろ?」
A「な…、お前…!」
B「それなのにお前、超テンション上がっちゃってさぁ…。」
A「何だよ?俺のせいだって言いたいのか?」
B「そうじゃないけどさ…。」
A「だいたいお前、昔っからそうだよな?口先ばっかりで無責任でさ…。この嘘つき!」
B「おい、そこまで言うことないだろ!?」
A「だって本当のことだろ!?」
B「お前だってさ、昔っから何でも信じ込んで、後先考えないで勢いで先走っちゃってさ、
  今日だってそれで迷ったんだろ!?このバカ正直!」
A「はぁ?何だよ?やんのか?」
B「おぉ、やってやろうじゃん。」
A「あぁ、そうかよ、良い度胸だ!」
B「やってやんよ!表出ろ!」
A「だから表出る方法が分かんねえんだよ!」


  間


B「…そうだったな。」
A「もうやめようぜ?時間と体力の無駄だ。」
B「あぁ、言い過ぎたよ。」
A「いや、俺も悪かったよ。」
B「とりあえず、どうするか考えよう。」
A「あぁ。」


  A・B ため息をつく
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