すべては闇の中で
<登場人物>
A…地上の知識が中途半端なのに知ったかぶりをする。ここでは料理担当。
B…生まれてからずっとここにいるため、地上の知識は聞いて覚える。
言葉は荒っぽい男性を想定して作っていますが、
会話の内容としては男女問わないものです。
女性の場合は適宜、言葉を変更して使ってください。
<舞台設定>
なぜか地中で人間が暮らしている世界。
本当は暗くて何も見えない。AとBもお互い見えていない。
(舞台上では薄暗い、またはスポットライトで表現)
はじまり--------------
舞台上でAとBが離れて座っている。
A 「じゃあ『みりん』って10回言ってみて」
B (指折り数えながら)
「みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん、みりん…
なあなあ、みりんってなんだ?」
A 「みりんっていうのは…甘くするやつだよ」
B 「甘くする…砂糖とは違うのか?」
A 「そりゃ違うよ、ちょっと言ってみ。さ・と・う」
B 「さ・と・う」
A 「み・り・ん」
B 「み・り・ん」
A 「(得意げに)な?」
B 「いや、全然わかんねえ」
A 「砂糖ってさ、サラサラで固そうって感じじゃん。言ってみ?
(剣道のかけ声のように)砂糖!」
B 「(同じように)砂糖!うーん、言われてみれば…」
A 「みりんってやわらかい感じがするじゃん。言ってみ?
(色っぽく)みりん」
B 「(色っぽく)みりん。なるほどねーさすが料理人」
A 「まあなー」
B 「…あ、ごめんごめん。
(指折り再開)みりん、みりん。で?」
A 「では、鼻の長い動物ってなーんだ?」
B 「花?…花が咲いてる動物ってそもそもいるのか?」
A 「その花じゃねえよ。顔の真ん中にあるやつだよ」
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