お江戸は宇宙のぱらだいす!

お江戸は宇宙のぱらだいす!(一幕三場)
                                 作・瀧澤 豚琴

CAST
 江 戸 人
   お わ か
   あ   さ
   し   ほ
   お 婆 々
     子 供 達
 ストーリーテラー(瓦版屋)

  宇 宙 人
   ユー
   リー
   モー
     ロボット



第 一 場


  音楽と共に幕が開くと、上手より瓦版屋が登場。


瓦版屋  さあさあ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい、お代は見てのお帰りだよぉ!・・・・っとっと、
     いけねぇいけねぇ、また、昔の癖が出ちまったぃ。(調子を変えて)さぁ、てぇへんだ!
     どえらいことが起こったよぉ! 何がったって、こんなすげぇこたぁ、口じゃいえねぇやね。
     事の顛末はこちらだ、さぁ買ってきな!・・・・・・・・・・・(座り込んで)あぁあ、また誰も相手に
     しちゃくれねえや。本当の事なんだけどねぇ。・・・・・(観客に)あの、本当なんすよ。あっしは、
     元々、そこの観音様の裏っ手で、見せ物小屋ぁやってたんすがね、見ちまったんすよ、すげえ
     ものを。そんで、こりゃぁと思って、瓦版屋に駆け込んだんすがね、誰も相手にしちゃくんねぇ
     んで・・・・・・んで、仕方ねぇから、自分でこうして瓦版こさえてね・・・・・・でも、やっぱし駄目だった。
     みんな、鼻っから信用しちゃくんねぇ・・・・・・・へへ、そりゃぁ、見せ物屋がこんな話したんじゃ、
     誰だって宣伝だと思っちまうやねぇ。・・・・・でも、本当に本当なんすから。・・・・・・・・・
     ありゃぁ、大川の花火祭りの日で、花火の方にすっかりお客取られちまって、こちとら暇んなっ
     ちまったもんだから、そんじゃこっちもってんで、花火見物にお池の端まで出てきたんすがね・・・・・


  瓦版屋が舞台中程に目をやると同時に照明が入る。
  舞台中央より下手にかけて橋があり、中央には鳥居がある。下手、橋のたもとには柳の木。上手よりには
  小屋らしきものがあり、かなり古びている。

  程近いところで鳴っている花火の音。

  下手より、`あさ’登場。橋の上へ駆け上がる。


あ さ  (後ろを振り返り、手招きをしながら)おわかちゃん、しほちゃん、こっちこっち。ほら、やっぱり
     ここが一番。

おわか  (出て来て)わぁ〜、本当。よく見える。しほちゃん、早く〜。きれいよぉ、とっても。

し ほ  (出て来るが、あまり乗り気でない様子)本当だ。きれいね。・・・・・でも、ここじゃ・・・・・

あ さ  ここじゃ、何よ。

し ほ  ううん。何でもない。
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