奴隷街のマリア
 劇団ORIGINAL COLOR 第9回公演

奴隷街のマリア        
作・佐藤 弘貴
 ☆登場人物☆

エリカ・・・7年前に両親を亡くした。24歳の女性。倫太郎という兄がいる。
現在は気が向けばバイトに行くが、基本はだらだらしている。
倫太郎・・・エリカの兄。5年前に旅に出る。視野が広く、勉強もよくできる。
      でもかなり。天然
ばばあ(マスター)・・・街の片隅にある古本屋の店主。実は若いとのうわさも。

ローズ・・・名うての剣士。暗殺を専門としている。感情を見せない。

エスケープマニア【エスケープ】(ラウル)・・・何かから逃げているらしい。
実は千年前はラウル。
アインシュタイン(シュタイン)・・・(ウーゴ)博識で真面目。皆の説明係。
千年前はウーゴ。ラウルの弟。
大佐(政治家)・・・なんとなく偉そうな感じだから大佐。
千年前は国を変えようとしている政治家。

ミエハル・・・天(ソラ)への方舟のクルー。つまりは天使。
パンドラの箱に閉じ込められた。便秘持ち。


客入れMが流れている。舞台監督のQで客入れM徐々にOUT。
M・0(悲愴)IN。徐々に暗転。ばばあ板付き。M・0、F・O。明転。
ばばあ、下手の椅子に座りボーっとしている。上手からエリカ、IN。

エリカ「こんちは〜。」
ばばあ「・・・。」
エリカ「(ばばあに近づいて。)こんにちは!」
ばばあ「(エリカをじっと見つめる。)」
エリカ「・・・寝てんの?」
ばばあ「寝てるよ。」
エリカ「・・・相変わらずだね。」
ばばあ「・・・何年ぶりかね〜。あんたがここに来るのは。」
エリカ「・・・昨日来ました。なに、ぼけた?」
ばばあ「ぼけたよ。」
エリカ「・・・はぁ。」
ばばあ「まだ帰ってこないのかい?」
エリカ「あのね、5年経ってんだよ。毎日聞かないで。」
ばばあ「エリカちゃんがまだこんな頃(小さい頃)。よく二人で来ていたね。」
エリカ「そうだね。」
ばばあ「見つかったかね〜。自由ってやつは。」
エリカ「知らないよ。あんなクソ兄貴は。」
ばばあ「たまには、倫太郎ちゃんの顔も見たいんだけどね。」
エリカ「・・・そう?」
ばばあ「そりゃあそうさ。可愛い孫だもの。」
エリカ「え?・・・違〜うよね。あたしたち。」
ばばあ「はぁ?」
エリカ「孫じゃないよ?あたし。え、マジでボケちゃった?」
ばばあ「ぼけたよ。ぼけたことがはっきりとわかるよ!」
エリカ「うん。はっきりとわかったらボケてないけどね。」
ばばあ「そうだよ。」
エリカ「・・・わかってんならさ(客席に)変な情報与えないで?」
ばばあ「与えていくよ。精一杯!」
エリカ「頑張らないで。頼むから。」
ばばあ「今日はなんでっしゃろ?」
エリカ「急〜。急だよね。」
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