パペット騒動
【博士・助手 下手から登場】

助手   「やっと長年の夢が叶うんですね!」
博士   「あぁ、沢山の人形を人間に変身させて、私にとって有意義な世界を作る夢が実現するぞ! お前達も人間になれて嬉しいだろう」
あー人形 「(博士の声で)うん! 私、人間になることが夢だったの!」
きー人形 「(博士の声で)博士ありがとう! すっごい嬉しい!」
博士   「そうじゃろう! ワシが発明したスプレーを吹き掛ければ、たちまち人形が人間に変身出来る!」
あー人形 「(博士の声で)わー! 博士すごーい!」
きー人形 「(博士の声で)きゃー! 博士素敵―!」
博士   「(軽く引いてる助手を見て、咳払い)何か言いたいのか?」
助手   「い、いえ……」
博士   「それでいい。では行くぞ!(ポケットの中を探す)ちゃららちゃっちゃらー……ん? ないぞ? あれ? トイレに行ったとき落としちゃったかなー?」

【博士・助手苦笑いしながら下手に探しに行く】
【あー人形 下手 きー人形上手 パーテーションの上から登場】

あー人形 「ったく! なーにが『私、人間になることが夢だったの!』だよ!」
きー人形 「私は本当に嬉しいけどなー」
あー人形 「え?」
きー人形 「え? ……あ、ううん。何でもない」
あー人形 「なぁ、俺達、もうすぐ人間になっちゃうのかな?」
きー人形 「あーちゃんは人間になりたくないの?」
あー人形 「だって、人間は人形のことを全く考えないんだもん」
きー人形 「そんなことは……」
あー人形 「きーちゃんは人間になりたいの? 人形達を研究所に閉じ込めた人間に?」
きー人形 「それは……」
あー人形 「もういい! きーちゃんがそんな人形だとは思わなかった!」
きー人形 「待ってよあーちゃ」
博士   「(声のみ)おぉ、まさかワシのカツラの中にあったとは!」
助手   「(声のみ)もう、しっかりしてくださいよ博士」
きー人形 「ほ、ほら。博士と助手が来ちゃうよ。この話はおしまい! ……ね?」
あー人形 「……分かった」

【あー&きー人形 しまう】
【博士・助手 下手から登場 助手が両手にあー&きー人形を持っている】

博士   「よし、では行くぞ!」

【人形にスプレーを吹きかける。が、反応なし】

助手   「まさか、失敗とか?」
博士   「いやいやいや、そんなことはないぞ? 吹きかけ方が悪いだけだ」

 【何度も吹きかけたあと、自分の顔に吹きかけ「おふぅ!」となる】

助手   「は、博士……」
博士   「(苦笑い)実験失敗だ。続きはまた明日行うことにする」

【博士 上手に掃ける】

助手   「待ってくださいよ博士! ……ん、今、人形が動いたような……?」
博士   「(声のみ)早くしろ!」
助手   「は、はい!」

【助手 上手に掃ける】
【あーちゃん 下手から登場。自分の体を触ったりして人間になったことに気付く】

あーちゃん「ぎゃあ! 人間になっちゃったー! もう嫌だよー! 人間はお腹空くしお風呂に入んないといけないし恋とかすんのめんどくさいしー!」

【あーちゃん 下手にしばしの混乱のち掃ける】
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