ギフトマン


ギフトマン(仮)






届け屋
マスター
カズキ
サカマキ
ハチ
ポッキー
リーナ



1、古ぼけたバー

暗闇。
目覚まし時計の音。少し鳴り続け、やがて止む。
また時計が鳴る。さっきより長い。やがて、時計を叩いて止める音。
また鳴る。が、何か壊すような音がして静かになる。沈黙。

マスター  起きてこいやぁ!
届け屋   うわああ!

明転。
届け屋の部屋。マスターの声で跳ね起きたらしい届け屋。別の空間にマスター。二階の届け屋の部屋を見上げている。

マスター 遮光カーテンなんかかけてるからだぞ。朝飯、早くしないと何もないからな。
届け屋  まだ八時かよ…。
マスター お前にまた話がきてるんだからな?
届け屋  その前にオレ、時計かけたっけ…。
マスター 聞いてんのか!
届け屋  うっせーよ!

マスター、去る。

届け屋  冗談じゃねーよ、朝だけはゆっくりできるようにこのカーテンなのに。昨日の仕事は…特にひどかった。

届け屋の回想モノローグ。

届け屋  はいよマスター、今日の仕事は…っと。あ?二丁目のダンディー?嫌だよ、アイツ、キザったらしいしムカつくし、自分も貧乏のくせにオレのこと貧民呼ばわりしてきやがって…。え?今月の月謝は…まだだったな。うん、ごめん。オレのこないだの報酬から抜いといて…ないの?何でだよ!オレ、五万くらいは稼いだよ?五千の間違い?かーっ、最悪。わかったよ、行くよ。本人のとこ?あっそう。この箱ね。

しばらく走る。依頼主のところへ着く。

届け屋  おう、オレだよ。うるせえよ何だよ。とっととカネよこせ、忙しいんだから。(受け取って)チェ…まあいいや、じゃあな。(急にビクっとする)何だよ、でかい声出して。はぁ?テメエを運べたぁどーゆーこった!オレは男を抱いて走る趣味は…台車?

また走る。どこかに着く。

届け屋  (けだるそうに)何、あの女。アイツあんなスラム美人つかまえてやがったのか?え、指輪はフライングじゃねーの!(アテレコして)『まあ、なんて素敵なの。ありがとうダンディー!ギュッ!』『よせやいジェニー、君のためなら当然のことさ…』あーっ、バカ!路上のチューは犯罪ーっ!

と、モノローグが終わり、そこはバーの一階。
オープン前の店内でくつろいでいるマスター。

届け屋  メシは?
マスター そこ。(食パン一枚)
1/40

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム