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Away

　『Ａｗａｙ』

　登場人物

　女（秋本初美）
　男（白鳥先輩）
　犯人１
　犯人２

　―試合開始前―

　舞台はとある寂れたオフィスビルの一室にて展開する。
　部屋にあるのは埃をかぶったオフィス用のデスク、ソファ。
　部屋の隅には支柱。照明は豆電球一個のみ。
　窓には板が打ちつけられており、外からの光はない。
　出入り口は両開きのドアが上手奥に一つ。
　女が一人、部屋の真中で横たわっている。
　だが、照明はまだついておらず、暗転中である。
　女の寝言が聞こえる。

女　　　うーん……白鳥せんぱーい……あたしはそんなつもりじゃなかったんですよ……
　　　　ちょっと、やだあ。そんな事考えてたんですかあ？　白鳥せんぱーい。もう……
　　　　やだって言ってるじゃないですかあ……。でもぉ、先輩がぁ、どうしてもって言
　　　　うなら……。
男　　　初美、初美。

　女、寝ている。

女　　　わあ、先輩の、超スゴイ。
男　　　そろそろ起きてくれ、なあ、初美。秋本初美！

　女、さすがに目を覚ます……が、寝ぼけている。

女　　　……あれ？
男　　　目が覚めた？
女　　　……何で服着てるんですか？
男　　　……は？
女　　　だって、白鳥先輩、丸裸だったじゃないですか。
男　　　……どんな夢見てたの？
女　　　……夢？　夢って何？　え？

　女、周りを見回して、状況の異常さに気付く。

女　　　何これ。どうなってんの？　え？　ここどこ？
男　　　僕にもよく分からない。僕もさっき目覚めたばかりだからね。
女　　　何であたし、こんな部屋にいるの？　ここ、明らかにあたしの部屋じゃないんで
　　　　すけど。
男　　　まあそうだろうね。
女　　　あ、分かった！　誕生日のサプライズパーティーだ！
男　　　すごいポジティブだね。
女　　　……やっぱ違う？
男　　　断言は出来ないけど……（窓を触りながら）窓を板で打ちつけたのもサプライズ
　　　　なのかな。

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