失恋保険
コント「失恋保険」

【あおり文】
「恋もお金で安心できる時代!?
 もし失恋しても、返金あり。クーポン付き。エステし放題。
 でも――女がかけていたのは“もっとヤバイ保険”だった!?
 愛とリスクヘッジが交差する、新感覚コント!」

【登場人物】

・女1(主人公)
 恋愛に抜け目がないタイプの女性。
 表向きは「純粋に恋に挑む乙女」を演じるが、実は他の男を同時進行でキープしている。
 保険屋の説明を真剣に聞いているようで、スマホに来るLINEや電話で裏の顔がチラつく。
 「失恋保険」という制度を利用して、自分の恋愛を巧妙にリスクヘッジしている。

・女2(友人)
 主人公の付き添いで来た友人。観客目線のツッコミ役。
 女1の発言やスマホの挙動から裏の事情を察しては、冷静に「保険かけてんな〜」と小声でつぶやく。
 女1と保険屋の会話のギャップを拾い、観客に分かりやすく伝える役回り。

・保険(男でも女でも可)
 保険屋。真面目で誠実そうな保険会社の社員。淡々と恋愛保険の商品説明をする。

【場面】
 保険屋のブース。机の上に分厚いパンフレット。女1は前のめり、女2は半ば呆れ顔で座っている。

【脚本】

保険「こちらが当社の失恋保険のパンフレットになります。スタンダード、プチ、そしてエグゼクティブの三つのプランがございます」

女1「へぇ〜!失恋したらお金が返ってくるの?それで美味しいもの食べたり、エステ行ったり?」

保険「はい。提携先の飲食店や美容サロンで使えるクーポンもついております」

女2「へえ~最近はこんな保険もあるんだ。失恋保険、ねえ」

女1「ね。すごいよね」

 女1、壁に貼ってあるポスターに目を止め、

女1「『恋に落ちても、失恋しても安心。あなたのハート、まるごと保証します!』だって」

 女2、手元のパンフレットをめくり、

女2「『フラれる前に、安心を買おう。振られてからじゃ遅い!』……そんなもんなのかねえ」

女1「そんなもんなんだよ」

女2「『失恋はリスク?大丈夫、当社が“慰めるお金”をお届け!』……お金ねえ。
   心が傷ついてるときに、お金だけもらっても、ちょっと、ね」

保険「現代の恋愛はリスクが高いですからね。万全の備えをおすすめします。
   もちろん、お金だけでなく、心のケアも含めて保証いたします」

女2「なるほどお」

保険「恋愛は、命よりも重いですからねえ」

女2「えっ」
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