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ジョンが死んだ

IQ1300の私立探偵・殺山慈四殺須依の華麗なる推理と衝撃の真犯人

【登場人物】
　
　殺山慈四殺須依 - 私立探偵。それっぽい風貌。男。
　
　トム - 臆病で自尊心が高い。男。
　
　メアリー - 尊大で羞恥心が強い。女。
　
　座簿山(ざぼやま)さん - 警官。犯人を取り押さえる。不問。
　
　百々莉亜那(どどりあな)さん - 警官。台車を持ってくる。不問。
　
　【本文】
　
　ナレーター:ジョンが死んだ。某日、某ホテルでの出来事だった。そこで、偶然そのホテルに泊まっていた私立探偵の殺山（ころすやま）慈四殺須依（じょんころすよ）が、原因の特定に乗り出した。そして、その翌日。彼はホテルの一室にホテル内の全員を集めた。

　明転。

　殺山: 犯人は、この中にいる！！！
　
　トム: なっ、なんだってェーッ！？！？
　
　メアリー: そんな……一体誰が……
　
　殺山: フッ、まるで自分が関係ないとでも言いたげだな───だが、お前が犯人なのは最早もはや疑いようが無いッ！！───お前が犯人だ、メアリー！！！

　指を指す。

　メアリー: ──ふっふっふ、面白い推理ですわ、探偵さん。お笑い芸人にでもなってゴッドタレントに出演したらどうでして？
　
　殺山: おや、まだ私は推理したとは言っていませんが？
　
　メアリー: えっいや探偵なら推理したんでねえのでして？
　
　殺山: フッ、いくら屁理屈を捏ねたところで、このIQ1300を誇る天才私立探偵・殺山（ころすやま）慈四殺須依（じょんころすよ）様は欺けませんよ！！
　
　トム: うおォーッ！　さすがは探偵さんだぜ！！
　
　殺山: いやいや、それほどでも
　
　メアリー: いやいやいや、おかしいですわ！　大体、犯行時間には、私東京タワーにいたのですわよ！？
　
　殺山: 確かに、あなたにはアリバイが有りばい」
　
　トム: 博多弁だァーッ！　すげェーッ！！
　
　殺山: しかし、そのアリバイは否定できます！！　ホテルの防犯カメラを確認したところ、犯行時刻のほんの少し前にあなたによく似た人物がホテル内をうろつき周り、しきりに防犯カメラの前で一人チューチュートレインを踊っていた映像が確認されたのです！！　そして犯行時刻一分前、その人物はジョンの部屋に入り込みました！！
　
　メアリー: はぁ！？
　
　殺山: 確かにあなたは東京タワーに向かいました。昨日は途中まで経路が被っていましたので分かります。ですが、あなたは一時間ほど電車に揺られた後、東京タワーに別に近くもない駅で不自然に下車しましたね？　これが何よりの証拠です！！
　
　メアリー: せっかくならと東京タワーまでの街並みを観光しようとしただけですわ！
　
　殺山: いいえ、違います。あの時、あなたは当時ホテルに居たジョンを殺しに行ったのです！　電車を出る時妙に急いでいましたね？　これが何よりの証拠です！！　あなたは電車を降りると、犯行時刻に間に合うよう速攻で走ったのです！！
　
　メアリー: お前がジロジロ見てきたからですわ！！　気持ち悪い！！！
　
　殺山: ジョンさんが死んだのは、あなたが駅を出てから20分後の出来事です。あなたは東京タワーに向かったフリをしてアリバイをでっち上げると、急いでホテルに向かった。あなたは駅から20分でホテルに走り込み、そしてホテルの一室で休んでいたジョンを殺した。これが真実です！！！
　

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