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死にたい夜に帰るだけ

死にたい夜に帰るだけ

わたし
女の人

薄暗い部屋
ベッドで眠るわたし
やがてわたしは起き上がる

わたし　…私、何がしたかったんだっけ。

薬瓶を手に取り、中身を全て飲む

暗転
わたしにサス

わたし　死にたかった。別に何かあったというわけでもなく、ただ漠然とした希死念慮が常にわたしについてまわった。…だから、わたしは死ぬことにした。というか、死んだ。

明転
いつのまにか無機質な研究所
至る所に包帯が巻かれた女の人が立っている
包帯のせいで顔はわからない

わたし　…そう、死んだ…はずだったのに！！
女の人　おはよう。素敵な髪飾りだね。
わたし　誰よあんた！！ってかここどこ！？包帯ぐるぐるだし…不審者！？
女の人　失礼だなあ…。
わたし　本当に何ここ！！超怪しげ！！人体実験でもしてそうなんだけど！！
女の人　ああ、してるよ。
わたし　え、してるの？
女の人　まあね。
わたし　帰してください！怖い！！
女の人　だーかーらー、急に現れたのはそっちなんだって。
わたし　意味わかんない！！
女の人　まあ落ち着きなよ。状況が理解できていないのは私もなんだから。
わたし　そんなに落ち着いてるのに！？
女の人　君が驚きすぎなの。
わたし　こんな実験器具だらけの空間に急に連れてこられたら驚くでしょ！
女の人　別に連れてきたわけじゃ…まあ言っても無駄か。
わたし　家に帰して！誰かー！
女の人　叫んでも意味ないよ。この部屋防音だし。
わたし　…やっぱり誘拐だ。
女の人　本当にもう…話を聞かないなあ。
女の人　じゃあこうしよう。君からの質問にはなんでも答えるよ。それで怪しいかどうか判断してほしい。
わたし　なんでも？
女の人　答えられる範囲でね。
わたし　…まだ信用したわけじゃないからね。
女の人　それ私の椅子なんだけど…。まあいいか。
わたし　絶対嘘はつかないのよね。
女の人　まあね。
わたし　…まず、あなたは誰？
女の人　被験体001。
わたし　…え？
女の人　イチって呼ばれることが多いかな。安直だよね。
わたし　それが名前？
女の人　そう。
わたし　…。
女の人　言ったでしょ。人体実験してるって。
わたし　あなた、名前ないの？
女の人　あったと思うよ。

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