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証

「証」　作・東　詩依

【登場人物】

　男１
　男２
　女１
　女２

　　　舞台は公園である。
　　　舞台中央後方にベンチが置かれている。

◯公園（午前）

　　　男１が落とし物を探している。
　　　下手より男２がやって来て、声をかける。

男２　どうしたんです？
男１　（探しながら）ちょっと……落としちゃったみたいで……。
男２　落とした？
男１　えぇ……やってしまいました……。
男２　何を落としたんです？
男１　指輪です……。

　　　少し間。

男２　大事なものなんですか？
男１　そりゃあもう……ただの指輪だったら諦めもつきますが、私が落としたのは結婚指輪なんです。
男２　結婚指輪！　それは大変だ……僕も一緒に探しますよ。
男１　いいんですか？
男２　えぇ、一大事ですから。

　　　男２も探し始める。

男１　どうもすみません……。
男２　いえいえ。落としたのはこの辺で確かなんですか？
男１　そのはずです……そこのベンチで休んでたときには、まだあったはずなので。
男２　なるほど、ベンチ……。（ベンチに向かう）
男１　あ、そこは最初に調べました。
男２　見落としてる可能性もありますから、一応調べさせてください。
男１　お願いします……。

　　　男２、ベンチの脚のところに指輪が落ちているのを見つける。

男２　あった！　ありましたよ！

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