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タイムスリップのない世界

タイムスリップのない世界　人数:８人
江口祐樹…高校二年生男子。ずぼらだけど友達思い。
思い切りがいい。
真中琳…高校二年生女子。祐樹とは同級生。ＳＦを信じない。
根は優しい。
近田新…高校二年生男子。祐樹とは同級生。頭脳明晰で、
将来は発明家を目指す。臆病。
二村時郎…男。６０歳。６０年前にタイムマシンを発明する。
ジョーク好きでひょうきんなジジイ。

警察先輩…性別自由。政府から博士と繁を抹殺するよう命じられ、
６０年前からやってきた政府警察。正義心が強いが、
実は言うほど脳がない。
警察後輩…性別自由。政府警察のひとり。面倒くさがり屋。
奥田繁…新の父親。６０年前に銀行強盗し、博士のタイムマシンで
現代（約２５年前）に行く。科学者として働いて
暮らしていたが、病気で（現代から）３年前に亡くなる。
住人…都内某所に住む人。政府警察に気絶させられる。

開幕。明転。
電話が鳴る。上手側から博士が入り、受話器を取る。
博士　もしもし、二村研究所です。…また君か。
何回も言ってるじゃろう。研究の軍事利用は断らせてもらう。
わしはな、人々の平和な未来のために研究をしておるのじゃ！
博士が電話を切る。
博士　はぁ…発明王というのも大変じゃなぁ。政府関係者から
何回も電話が来るわい。しかし、わしは未来の平和のために
研究を続けるぞ。
博士が立ち上がる。
博士　今やっているタイムマシンの研究が成功すれば、
映画や小説のように過去や未来に行くことができる！！
このわし、二村時郎が、やり遂げてみせる！！
窓を割る音が聞こえる。
博士　ん！？なんじゃ？
上手から繁が拳銃を持って入ってくる。
繁　　動くんじゃねぇぞ！！
博士　えぇ！？誰？
繁　　動くんじゃねぇぞ？悪いがこの家にかくまらせてもらう。
博士　何？お前さんそもそも誰じゃ？何が目的じゃ！
繁　　俺はさっき近くの銀行で現金を盗んだ男だ。そして、
誰でもいいから入った家の人間を人質にして、車を手配して
逃げようと企んでいるのだ。
博士　…わしが知りたい内容を１２割ぐらい説明してくれたのう。
繁　　しまった！口が滑って…
博士　君…犯罪し慣れてないじゃろ？
繁　　うるさい！とりあえず、無駄な抵抗はよせよ。
博士　クックック…お前が今、拳銃を向けている相手は
誰かわかっているのか？わしは昭和の発明王、二村時郎…
繁が天井に銃を撃つ。
博士　ウワァア！！話してる途中だぞ！
繁　　二村時郎だか佐々木小次郎だか知らんが、
今は俺の命令に従え！！
博士　ひぃい！！
繁が辺りを見回す。
繁　　機械がたくさんあるが、なんだここは？
博士　ここはわしの研究所じゃ。最近は時空研究ばかりしてるがのう。
繁　　時空研究？
博士　あれを見ろ。タイムホール生成マシーン、略して
タイムマシンじゃ。
繁　　タイムマシン？

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