白椿夜叉姫
「白(しら)椿(つばき)夜叉(やしゃ)姫(ひめ)」
登場人物
白(しら)椿(つばき) 鬼一族の姫
猟(りょう)禅(ぜん) 狩人
光映(こうえい) 仏師
みすず 村の少女
黒(くろ) 鬼
赤(あか) 鬼
緑(みどり) 鬼 女の鬼だが、男の恰好をしている
村長
村人
村人2
蛇 (声のみ)
鬼は、ハチマキか被り物で角をつける(カチューシャやヘアピンなどでも可。落ちないように工夫してみて下さい)。あまり安っぽくならないように、髪飾り風にするか、武具(兜(かぶと)など)風にするか、装飾をつけた方が良いかもしれない。
舞台装置 案
シンプルな段差をつくるくらいで、あまりイメージを固定するような(木、岩など)の装置を作らない。光と音、色で空間を演出する。腰掛けられる、動かせる装置も置く。
・白椿の一人称はわらわと私があるが、身近な者(赤、黒など)の傍では私、村長として振る舞う時はわらわになる。
第一章
1‐1
開幕
戦場を見下ろす小高い丘
鬼を退治しに来た人間たちを追い返すため、軍を率いた鬼姫、白椿
白椿、舞台上を見下ろす位置に、一人登場する
明かりはまだ暗く、はっきりと顔は見えない
白椿 血で血をそそぐ戦場(いくさば)こそが、我が母である。
大地を揺るがす鬨(とき)の声こそ、我が父……!
(ライト 白椿の顔がはっきりと見える)
我が名、白椿。そら! 見ろ、鬼が来たぞ。
我と我が友を、夜叉と呼びたくば呼べ。この身の価値は名などに支配されぬ。
ゆけ!
SE 怒号(白椿の率いる鬼の軍勢が、人間に襲い掛かる。
白椿は高笑いをする。人に対する怒りがおさまらない。
白椿 ほうれ、そんなものか! 片腹痛いのう! それだけの力で我等に挑もうとは。
もっと歯ごたえのある者を連れて来い!
白椿、衣装を翻して退場
SE 怒号 ボリュームを上げてからフェイドアウト
暗転
1‐2
猟師、猟(りょう)禅(ぜん) 板付き
( 白椿たちを仕留めようとする近隣の村の長達が、彼を呼び出した )
村長と、村人たち 板付き
猟禅 仕留めた獲物は数知れず、腕利き猟師の猟(りょう)禅(ぜん)様に頼みごとがあるって?
村人 態度を改めねぇか、猟禅! 村長様の前だぞ!
村長 まあ、ええ。(村人を抑えて)猟禅、おぬしには鬼退治を頼みたい。
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