君にさよならを言う話。
演劇ユニットiNdiGod(インディゴッド)
「君にさよならを言う話。」
作 中神秀明
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前半が上演版の一人芝居の台本、後半が相手キャラを補完したサブ台本となっています。
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【登場人物】
ユリカ:
二十代女子。
自分よりも相手を思いやる性格。恋人相手には特に。
強がり。自分の心の中の弱い部分を見せたくない。
でも心を許した相手には結局は甘えてしまう。
強がりと甘えが交差する部分が時にわがままに見えてしまうが、それも可愛さ。
カナトとは大学で知り合い、卒業後に付き合い出していまは3年になる。
【設定時期・時間帯】
6月上旬。18時過ぎ。初夏の夕暮れ時。
【物語設定】
ユリカは入院している病院から一時帰宅の許可が出てアパートに戻ってきた。
姉の運転する車で病院からアパートへ。その後、姉と一緒に荷物の整理。
病院へ運ぶもの。実家へ運ぶもの。カナトに返すもの。
荷物の整理が終わり、姉は部屋から出てカナトが来る間は外で時間を潰している。
夕方、ユリカのアパートの部屋。カナトを待つ。
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【使用楽曲について】
本作品では、参考として台本中に楽曲の曲目指定を記載してあります。作者がベストだと判断している曲目です。ただし、これは上演時の楽曲の使用曲目を制限するものではありませんので、あくまで参考としての記載とお考えください。
なお、実際の楽曲の使用にあたっては、著作権法等の関係法規やJASRAC等の著作権等管理事業者の定める管理規定等に従ってください。
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舞台が暗い中、音楽がかかる。
M1 鷺巣詩郎「THE SORROW OF LOSING THE OBJECT OF ONE'S DEPENDENCE」
初夏の夕暮れ時のアパートの部屋。
上手に小さなデスクと椅子。デスクの上には化粧道具が広がっている。
照明、全体が薄暗く点き、デスクのネライも点く。
椅子にはユリカが座り、メイクをしている。
部屋着にしてはおしゃれな服を着ている。
入院で少し痩けた顔を血色良く見せようとファンデは明るく。
元気にカナトと過ごしていたときの自分に戻るためにメイクをする。
カナトが綺麗だと言ってくれたリップを塗る。
時折鏡を見て笑顔を作ろうとするが上手く笑えない。
カナトにどんな顔を見せていたんだっけ。
二人で会う最後のときになるかもしれない。
だから、かわいいあたしの顔でいたいな。
カナトにもその顔を覚えておいて欲しい。
でもなかなかいい表情ができない。
哀しくなって泣きそうになる。
だけどがんばって立て直して精一杯の作り笑いをする。
そして、大きなため息。
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