ナナブンノサン
ナナブンノサン
月元(つきもと):男
火賀(かが):男
水紀(みずき):女
木之下(きのした):女
金城(きんじょう):男
土田(つちだ):男
日野(ひの):女
母(声のみ)
テーブルを囲むように立っている7人。
木之下 なんで、なんでこんなことに…
日野 こんなのって…
水紀 どうにかする方法はないのでしょうか。
金城 無理でしょ。少なくとも僕は無理。
土田 ……やり合うか。
月元 何言ってるんだ土田…! 俺達友達だろ?
火賀 大体元はといえば月元! お前がこんなもの出してきやがったからだろうが!
金城 そうだね。こんなものがなければ、僕たちが争うことはなかった。
月元 そんな、俺はただ…良かれと思って
水紀 火賀君、月元君を責めるのは止めてください。彼が悪いわけではないのですから。
日野 それに、そんなことしたって何も始まんないしねー
火賀 (舌打ち)
木之下 早く決めないと
土田 リミット…
金城 そうだね、早く決めよう。選ばれる三人を。
水紀 えぇ…この…ダーゲンハッツを手にできる三人を!
月元の家。
テーブルの上には三つのダーゲンハッツ。
火賀 大体よぉ、なんで三つなんだよ。他の数ならもうちょいなんとかなるだろ。
木之下 え、そう?
金城 火賀君の言う通りだ。一つや二つなら数が限られている分それをみんなで少しずつ七等分しようかと思える。逆に、四つや五つや六つなら、公正な勝負の結果で勝者だけ納得して食べられる。でも…
水紀 三つは微妙ですね…
金城 そうなんだ。全員で分け合うには配分が難しいし、かといって勝者に与えるには、数が過半数以下だから、不服が多い。
日野 これってさぁ、一ダースのやつでしょ?なんで三個な訳?
月元 いや、冷蔵庫に余ってたやつだから。俺だってもっと入ってるって思ってたんだよ!
土田 …骨折り損?
水紀 皆、月元君を責めるのは止めると言ったばかりでしょう。月元君は良かれと思って持ってきてくれたんですよ。
金城 争いの火種は彼だろう。
木之下 ちょ、ちょっと
火賀 あー、やめやめ。堂々巡りだ。
土田 溶けるぞ。
月元 そう、だね。早く決めた方がいいかも。どうするのか。
木之下 でも、どうしたらいいんだろう。
水紀 ここはやっぱり、七人公平に分割するべきではないでしょうか。
日野 えーめんどくさ。
火賀 相変わらずくそ真面目だな、水紀。
水紀 私は全員が不満のない方法を提案したまでです。
金城 全員が不満のない、ねぇ。
水紀 なんですか金城君。なにかあるなら言ってください。
金城 少なくとも僕は、水紀さんの案には不満があるけど。
木之下 二人ともまた喧嘩?
水紀 これは喧嘩ではありませんよ木之下さん。
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