一旦、おしまい!
一旦、おしまい!
山に囲まれた町の高校。放課後の教室に卒業間近の女子が四人。いつものように話す四人だったが、そのうちの一人、 日署 紫(にっしょ むらさき)から衝撃の告白。そのことについて話し合うが、仲の良さ故に話は脱線しまくり。一体どうなる?
(登場人物)
日署 紫(にっしょ むらさき)
夜田 さら(やだ さら)
雁谷 夕日(かりや ゆうひ)
火桶 いと(ひおけ いと)
(夜田登場)
夜田 「おまたせ〜。うちのクラス、ホームルーム長すぎ。あれ、火桶は?」
雁谷 「委員会だよ」
夜田 「え、あの人何委員会だっけ」
日署 「式典委員会。今年度二回目にして最後の仕事だって」
夜田 「ああ、うちの学校にしか無くて毎年ほぼ何もしない、なんであるのかも分かんない謎の委員会ね」
日署 「ちなみに今年度一回目の仕事は去年の入学式」
夜田 「いや間開きすぎでしょ。どのくらいで帰ってくるって?」
日署 「どのくらいって言われても…普段委員会しなすぎて本人も分かんないみたいだったよね」
日署と雁谷、顔を見合せて首を傾げる
日署 「急いでる?」
夜田 「いや、なんもない。っていうか、掃除ある日は四時五分の電車乗れないからどっちにしろ次五時半だし」
日署 「あら〜、山越える人は大変ですな」
夜田 「うるさい!日署も電車でしょ」
日署 「私は今日雪無いので自転車でーす」
夜田 「出た、片道六キロ自転車漕ぐ女!雁谷は?何で帰るの?チャリ?」
雁谷 「私は…親の車!」
日署 「……チートだよね」
夜田 「それな。」
夜田 「早く火桶来ないかな」
雁谷 「せっかく日署ちゃんからなんかあるんでしょ?」
日署 「…まあね」
夜田 「あーあ、なんだろうな!めっちゃ気になる。そうだ、雁谷、日署の言いたいことが何なのか予想しよ!そんで当てたほうが…勝ち!」
日署 「何それ」
雁谷 「いいよ!うーん、なんだろう」
雁谷、日署の顔を覗き込む
夜田 「あれじゃない?大学行くのやっぱやめるとか!」
日署 「あんなに泣きながら先生と面接練習してやっと受かったのに?というか、大学行かないで何になるの、私」
夜田・雁谷「「ローストビーフ」」言いながら笑う。
日署 「それは!幼稚園の卒アルの将来なりたいもので私が書いてたやつでしょ!火桶が学校にアルバム持ってきたせいでめちゃくちゃ笑われたんだよ、私。」
夜田 「私幼稚園の卒アル界で日署のやつが一番好きなんだよね。最初に見たときは笑いすぎて息できないかと思った。」
雁谷 「人なのにビーフって言っちゃってるもんね。」
日署 「多分五歳の誕生日に食べたローストビーフに感動したんだと…思う。いや、好きな食べ物聞かれたと思ったのか?
二人は何書いてた?将来なりたいもの。」
夜田 「私はチャッピー」
雁谷 「チャッピーって、夕方やってたアニメのモルモット?」
夜田 「そう。そのアニメでチャッピーの飼い主だったツバサくんのことが好きすぎて、ずっとチャッピーになりたかった。」
雁谷 「ツバサくんって、モエちゃんっていうガールフレンドいなかった?そっちは目指さなかったの?」
日署 「なんでそんな詳しいの?というか、私のこと笑えないし。夕日ちゃんは?昔の夢なんて書いた?」
雁谷 「私はもちろんバレリーナだよ」
日署 「あ、その頃からやってたんだ」
雁谷 「うん、一応三歳からやってた。十五年?もやってたから、辞めてから水曜日にレッスンが無い事への違和感がすごい。」
夜田 「確かに、放課後に教室で髪の毛お団子にしてスプレーぶっかける雁谷も見なくなったね」
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