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サッキンセイシュン！

赤木さくら……物静か、春生まれ、優等生。
夏野千花……活発でちょっと叙情的な女の子。
相田アキ……2人の担任の先生。
宇宙乃みえる……陰謀論系VTuber。（声のみの出演）

チャイムが鳴って緞帳が上がる。舞台はいくつかの机と椅子。教室。
千花｢がーーーーっこうだー！！！！ダダダダダダダーーーーーッ！！！！（駆け回りながら）こら！廊下は走らないの！（裏声）｣
さくら｢相変わらず騒がしい……｣
千花｢（低い声で）おい！そこの女子スカート折ってるだろ！元に戻せ！（気だるげそうに）え〜〜マジダル〜〜イ｣
さくら｢ダル〜〜イじゃなくて！……もう、そんなはしゃいで大丈夫なの？｣
千花｢平気平気大平気！｣
さくら｢あ、そう……あの、さ｣
千花｢なあに！｣
さくら｢……久しぶり｣
千花｢久しぶり！｣
千花がさくらを抱きしめる。さくらがとても驚いた顔をして。
千花｢ずっと会いたかった！さくらに会えない日々は退屈で退屈で仕方なかったんだから！｣
さくら｢……ありがとう｣
千花｢にしてもほんっっと久しぶりだよね、ね、学校に来れなくなって何日経ったか知ってる？｣
さくら｢確か……439日｣
千花｢え！？そうなの！？おっし〜い、私409日だと思ってたよ。なんだ〜、ちょうど数字の並びがさくらの誕生日と一緒だと思ったのに｣
さくら｢うん、439日で合ってると思うはず。……それに、私の誕生日も合ってる。よく覚えてたね｣
千花｢忘れるわけないじゃん！にっしてもさ〜、1年以上だよ？来れなさすぎでしょ｣
さくら｢結局まだ2年生のまんまだもんね、真面目に家で授業受けたのに｣
千花｢でもほら、まだ受験勉強しなくていいからラッキー！的な？JKブランドも1年伸びたし｣
さくら｢JKブランドは伸びても年は取ってるからね。私たちももう18じゃん｣
千花｢う……それは言わないお約束！｣
そこに相田先生が入ってくる。
相田｢あら、ここにいたのね！！｣
2人｢先生！！｣
相田｢2人とも、久しぶり｣
2人｢お久しぶりです！｣
相田｢……それにしても、いくら一般市民の外禁令が撤廃されたからって、学校に来るのはちょっと気が早すぎない？授業が始まるのは1週間後よ｣
千花｢来週まで待てなくって！早くさくらに会いたかったんです！ねー！｣
さくら｢千花がどうしても学校で会いたいって言うから……わざわざ教室を使わせてもらってありがとうございます｣
相田｢いいのよ。どうせ今は先生たちしかいないし、もう学校には空間自動殺菌システムが完備してあるんだし、好きに使ってちょうだい｣
千花｢せんせ……ちょっと痩せた？｣
相田｢え！？どうして分かったの？！……（嬉しそうに）少しだけね、少しだけ。ダイエット頑張ったのよ。この自粛期間に散々太っちゃったからね｣
さくら｢私も、せっかく外に出られるようになったんだから、今までの分たくさん運動しないと……｣
相田｢そうね。それにしても……なんだか暑いわね、久々に外に出たせいか、暑くて暑くてたまんなくて……｣
千花｢なんでも、この外禁令が発令されてから、地球沸騰化の進行がめちゃくちゃ早まったとか！今朝のニュースで言ってましたよう｣
相田｢へぇ……確かに、人が外に出なければ電気をたくさん使うし、バーチャル空間での移動だってたくさん電力を消費するものねぇ｣
千花｢私もちょっと前VRゲームしすぎて怒られたなぁ……｣
さくら｢VRゲーム？VRってあの……ゴーグルつけるやつ？｣
千花｢そうですそうです。ゴーグルつけてコントローラー持ってしゅばばばーー！！ってするあれ！｣
相田｢へぇ！先生も本物では遊んだことないなぁ……｣
さくら｢最近また流行ってるよね。レトロ可愛い！みたいな感じで。おじいちゃんの家にはあるけど、遊んだことないなぁ……あんなの重くて窮屈なだけじゃない？｣
千花｢それがいいんじゃん！不自由を楽しむって感じ！｣
さくら｢よく分かんない……｣
相田｢あ、そろそろ会議の時間だから、先生行く｣
千花｢はーい！んじゃ先生、さようなら！｣
さくら｢さようなら｣
相田｢はい、さようなら｣
相田が去って2人だけの教室になる。
さくら｢……先生、結婚したのかな｣
千花｢えっ！？そうなの！？｣
さくら｢左手の薬指に指輪がついてた。あれ多分……そういうことじゃない？｣
千花｢全然気づかなかった……え、誰と？！まさかうちの先生！？｣
さくら｢その可能性は高いよね。……この外禁期間前から付き合ってたってことは、少なくとも1年半以上は付き合ってるってことでしょ？外禁令が緩和されたこのタイミングで……（もじもじしながら）『俺と結婚してください……』『はい……♡』みたいな……ふふ｣
千花｢キャー！！！！！相手は誰だろ、1ｰ5の先生とか！？名前忘れたけど！え、まだ若いよね？うんうん超絶お似合い美男美女って感じ！！えってか直接聞いた方が早いよ、（袖の方を向きながら大きな声で）相田先生！！誰とご結婚｣

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