また明日、美術室にて
また明日、美術室にて
作:井上依香













登場人物
ヨシダ...高三の女。美術部。絵が上手い。
ヒロト...高一の男。バカ。ボケてる。
リョウ...高一の男。バカ。ツッコんでる。
ユウ...高一の男。バカ。生きてる。
先生...美術の先生。男。変態と名高い。














第一日目
 開幕
 照明オン、汚い部屋の様子を暗―く捉えている
 ごちゃごちゃっと、絵やガラクタがたくさんおいてある部屋
 ぱっと見、なんのために使われる部屋かわからない
 ヨシダ、ガラクタをかき分けるように登場
ヨシダ「この部屋にはいろんなものがある。絵とか、その題材とか。そういうものを全部ぶち壊してしまいたい衝動に、私は時々狩られるのです」
 ヨシダ、目を閉じる
 照明が切り替わる
 ヨシダ、目を開き、笑顔を見せる
ヨシダ「私は時々狩られるのです!」
 ヨシダ、暴れる
ヨシダ「私には居場所がない!学校にも!ドンキにもヴィレバンにも!この美術室?嫌いだよ!汚えから!掃除しとけって!でも先生がな、」
 先生、舞うように上手から登場
先生「ヨシダさあん、あなたにはこの美術室がお似合いだよ。僕は君の美しさを生かしたいんだ。片付けなんてまっぴらごめんだねベイベー」
 先生、舞うように下手側に行く
ヨシダ「とかいうんだ!失礼だろ、汚い部屋が似合ってる、だなんて!」
先生「違うんだ子猫ちゃん。君の野蛮なその魂、それこそが芸術だ。そしてそれは、シンプルな部屋には馴染まないんだ。これくらいものが散乱してた方が」
ヨシダ「私の魂が汚いって言いたいのか!」
先生「違う、違うんだキティ!」
ヨシダ「嘘つくな!知ってるよ!私は汚い!だから、いろんな人に受け入れられないんだよ!私を排他的な目で見るような集団が大嫌いだ!すなわち、日本が大嫌いだ!」
先生「素晴らしい!その心意気だ!」
ヨシダ「褒めるんじゃねえ!」
先生「ええ」
ヨシダ「とにかく、この汚い美術室をなんとかしてくれ!自分と同じものを見ているようだ!」
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