空海ってさ
.空海ってさ
高野山大学 2024 体験演劇
 
 空海ってさ

       第1稿
       2024年6月10日 作成
             作 山上祐輝
 

.登場人物
登場人物

犬野さん 17才 高校生 ちょっと単純
猿原さん 18才 高校生 噂好きの秘術使いの先輩
猫田さん 17才 高校生 今時の元気な常識人

それぞれは諸行無常が進むと別人に変わる。

犬野2
猿原2
猫田2

.本編

6月 学校 雨
犬野、猿原、猫田の三人は学校の掃除をしている。

猫田「ねえ、空海ってさ。」
犬野「なに、いきなり。」
猫田「空海ってさ、なんで偉そうなの?」
犬野「知らないよ。別に偉そうじゃないでしょ。」
猫田「そうかなあ。ねえ、猿原さんはどう思う?」
猿原「?」
猫田「空海ってさ、偉そう?」
猿原「考えたこともなかった。」
猫田「えー、絶対偉そうだよ。」
犬野「別に偉いんだから偉そうでいいんじゃない?」
猫田「そうだけどさー。」
犬野「なんでそんなこと聞くの?いきなり。」
猫田「え、なんとなく。」
犬野「なんとなくかあ。」
猫田「なんとなくだよ。」
猿原「どう?そっちの片付け終わりそう?」
犬野「まあ、何とか。」
猫田「でもどうせまた汚れるんですって。ほら、なんていったっけ?諸行無常?」
犬野「世の中すべてのものは永遠に同じものはなく、移り変わる。」
猫田「そうそう、それ。だからさ、掃除したって無駄だよ。どうせ変化するんだし。」
犬野「それは掃除を手抜きする言い訳にはならないと思うけど。」
猫田「えー、猿原さんだってそう思いますよね。」
猿原「変わり続けるからこそ、それに応じて環境を整えなおす必要がある。それが掃除。さ、あとちょっと頑張って。」
犬野「そうですよね。さすが猿原さん。先輩なだけあってしっかりしてる!」
猫田「えー。めんどくさいなあ。」
猿原「めんどくさいという気持ちも、すべて変わっていくよ。大丈夫。」
猫田「そんなものかなあ。」
犬野「じゃあ、俺の猫田に対する気持ちも、いずれ変わってしまうのか。」
猫田「は?犬野、それ何の話?」
犬野「ほら、俺猫田のこと好きだからさ、いつか嫌いになるのかなあって。」
猫田「好きってあれでしょ?友だちのやつでしょ?」
犬野「恋愛。」
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