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　　　　A、下手から入場。
　　　　舞台中央へ向かう途中に鍵の束を落として音が鳴る。

A　　…。

　　　　A、溜め息。
　　　　鍵を拾わなまま上手の壁へ向かい、寄り掛かってスマホを操作し始める。

　　　　しばらくしてB、下手から入場。

B　しゃしゃしゃーす。(お疲れ様でーす)
A　…。

　　　　B、落ちている鍵の束を見付ける。

B　あれ、これ。鍵。要らないんですかこれ？　ないと、あれですよ？　何ですかこれ。
　何の鍵ですか？　車？　家？　大変。どっちであっても。運転できない、入れない。　
　運転する前にあれか、まず車も鍵がないと入れないのか。（ラップの様に）車！　
　家！　車家！入れない！　イエー！　あ、ちょっと、今の狙ってなかったのに。家と
　イエーで。ねぇ？　どうです？　今の？
A　…。
B　また喋りすぎたー。しゃーせん。（すいません）
A　…。

　　　　A、上着のポケットに入れていたペットボトルをBに見せる。
　　　　中身はドス黒い色をしている。
　　　
B　あー、これが。

　　　　B、Aに近付いてペットボトルをよく見る。

A　…。
B　はぁ。なるほどー。へぇ。そうですかぁ。

　　　　A、Bにペットボトルを渡そうとする。

B　え？　あ。要らないですよ？　見たかっただけなんで…。

　　　　A、舌打ちしてペットボトルをポケットに戻す。　
　　　　C、下手から入場。

C　お疲れ様です。

　　　　C、落ちている鍵の束を見付ける。
C　あ、これ。鍵。
B　忘れてた。拾ってさえいなかった。
C　え？　拾っていいんですよね？
B　多分。
C　いいんですよね？

　　　C、Aに向けて確認する。
　　　Aが鍵の束を受け取る為に手を差し出す。

　　　B、Aに鍵の束を渡す。

C　無事完了ですか？
B　みたい。さっき証拠見せてもらった。
C　そうですか。報酬の受け渡しも終わったみたいです。今回どうでした？
B　眼鏡女子、髪短い女子、髪モジャ男子、車椅子男子。
C　見た目を知りたかった訳ではなくて。次またやってくれそうか…。

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