beyond the crossroad
【作者・関係者】


原案:伽藍那/があな
著作:伽藍那/があな
添削:N様


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【登場人物】


・大槻奏(おおつきかなで)
 趣味が読書の、頭の良い優等生。非常に義理堅く、借り物は期限をしっかり守って返すなど、真面目な部分もみえる。物腰が柔らかく、派手にはしゃぐようなことはしないが、翔也とは不思議とウマが合う様子。
       
・大橋翔也(おおはししょうや)
 莉茉の幼なじみの少年。思ったことを馬鹿正直に伝えてしまうほど素直な性格だが、唯一、莉茉への恋心はひた隠しにしてきた。仲の良い人間の為に自己犠牲を惜しまないタイプ。物忘れが激しく、物の貸し借りをしていたことを忘れていることが多々ある。
       
・川崎莉茉(かわさきりま)
 心優しく快活な少女。幼なじみの翔也に対しては普段からきつくあたるが、彼への特別な感情を持つ。純粋かつ鈍感。きさくな性格から学校でも人気者のポジションを確立しており、彼女に恋する人も少なくない。
       
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  【本文】
       

(一部、千葉市南部青少年センター構造より動線指定。)

 舞台の真ん中に学校机と椅子。机には細身の花瓶に生けられた一輪の花。
 舞台横、下手側前通路から翔也と莉茉が入ってくる。机を挟むようにして立ち、翔也が花に触れる。
 
翔也:あいつが死んで、1週間くらいか
莉茉:そう、だね
翔也:葬式、立派だったな
莉茉:そう、だったね
翔也:……なあ。もし、またあいつに会えるとしたら、お前はどうする
莉茉:……たくさん、聞きたいことがある
翔也:……俺も。どうしても、確認しなきゃならねえ
莉茉:確認……?
 
 無言で首を振り、花から手を離す。今度は莉茉が花に触れる。
 
莉茉:ねえ。どうしたら会えるのかな
翔也:……死ぬしかないんじゃねえか
莉茉:でも……死にたいけど、死にたくない
翔也:……そうだな。死にたくねえけど、今すぐ死んじまいたい気分だ

 翔也が机に背を向ける。

莉茉:……私たち、心が死んじゃったのかな

 莉茉もそう言い放ち机に背を向けたところで、2人は頭を押さえ床に倒れ、暗転。暗転中、奏が入り、椅子に座り机に突っ伏す。
 明転し、各々ゆっくり起き上がる。頭をおさえて痛がったり、唸りながら辺りを見回したり。

奏:んん………
翔也:いてて……ん?ここ、どこだ……?
莉茉:う……何、私たち、なんで倒れて(奏の方をみて)って、え?
奏:(欠伸をして)ん〜…よく寝たなぁ…。んん?ああ、莉茉か。あ、翔也も

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