三角は語りだした
三角は語りだした

タクヤ

アキラ

ホリ


 机が置いてある。作業場のようだ。美少女キャラクターのイラスト等がポスターのよう  に貼ってある。机には電気スタンドに原稿用紙、文房具。無精な雰囲気の男(タクヤ)が机に向かって何やらぶつぶつ言っている。漫画を描いているようだ。


タクヤ「すなわちこの世の中には、幾つもの正義が存在し・・・多様な価値観に裏付けされた平和という幻想は・・・生ぬるい窮屈な透明な壁に取り囲まれるように我々の心を侵食し・・・いや、もっといいセリフ回しが・・・」


ノック音。前髪で目が隠れている、黒いパーカーの男(アキラ)のようだ。


タクヤ「山」

アキラ「田孝之」

タクヤ「入れ」

アキラ「お疲れ様です」

 タクヤ、ペンを投げつけ

タクヤ「遅い!!今何時だと思ってるんだ!!」

アキラ「橋本環奈が」

タクヤ「あ?」

アキラ「ゆるさないかんなーってやつ」

タクヤ「うむ」

アキラ「あの動画見てたんす。何度も、何度もね・・・そしたら、朝日がね、上がってきたんす」

タクヤ「ほー」

アキラ「そしたら・・・今から寝ても絶対遅刻するって思うじゃないですか。ならいっそ、見続けようとしたんす。環奈。」

タクヤ「そのまま夢の中か」

アキラ「察しがいい」

タクヤ「お前・・・仕事と橋本環奈どっちが大事なんだ・・・」

二人「橋本環奈〜〜わはは〜〜」

タクヤ「仕方ない。座れ。」

アキラ「あざっす」

タクヤ「仕方ないよな。橋本環奈は次元が違う。俺でもさ・・・同じ状況になったら、自分を保つ自信がない・・・正直。お前の気持ち、理解したつもりだ。」

アキラ「環奈を人間の尺度で測っちゃダメです。」

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