紅の涙
(M)ガル「少女は泣いていた」

ガル「おいっ!(銃弾が頬を掠る)…っ!おま、え…っ!」

ロア「サッサと死ね。ゴミは、処分する」

ガル「くっ、そ…!動きが読めねぇ…!なんだあいつ…まだ子どもだろ…」

ロア「邪魔だ」

ガル「(威嚇目的で撃つ)次は当てるぞ!死にたくなかったら、止めろ!」

ロア「…ゴミは、処分する」

ガル「…クソ…!撃つしかねぇか…悪く思うなっ!」


ガル、ロアを撃つ。ロアの手から銃が落ち、倒れ込む。

ロア「……っ!(荒く息を吐きながら、ガルを無表情に見つめる)」

ガル「なぁ…お前、なんで泣いてるんだ」

ロア「…こ、ろす……(銃を拾う素振り)」

ガル「(ため息)それでもまだ俺を殺そうとするのか。子どものくせに、イカレてやがる」

ロア「………ゴミ…は……こ、ろす…」


ロア、気絶する。
ロアをじっと見つめるガル。
沈黙。


ガル「…………なぁ。まだお前に、涙を流せる心があるなら、俺と一緒に、生きてみないか」



朝。地下にあるガルの家は、家というよりも穴蔵に近く、剥き出しの地面の上に所狭しと拾い集めた家具が並べられている。今にも崩れそうな腐りかけたベッドにロアを寝かせ、自分は腕に黄ばんだ包帯を巻き付けている。

ガル「………全然寝た気しねぇな。回復にはもう少し時間がかかるか…」

ロア「……っんぅ……」

ガル「…起きたか」

ロア「っ…ぅ……っ!!(飛び起きる)」

ガル「お、いっ!暴れるなアホ!」

ロア「………殺す」

ガル「はぁっ…ずいぶんなお目覚めだなぁ!」

ロア「殺す!」

ガル「おい!…っちょ!血が足りてねぇんだ!動くなっ!い、ってぇ!(噛みつかれる)」

ロア「…私の銃をどこにやった」
1/33

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム