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最終電車を待っている

『最終電車を待っている』

登場人物

望月　　　望月柊哉（もちづきしゅうや）（27歳-男性）
　　　　…進学塾「日桜ゼミナール（にちおうゼミナール-通称ニチゼミ）」潮見校の教室長。入社５年目。
　　　　大学時代もバイト講師として働いており、その頃に来島を教えていた。

来島　　　来島三日莉（くるしまみかり）（20歳-女性）
　　　　…大学２年生。「日桜ゼミナール」卒業生。生徒時代、望月に告白したことがある。

巻　　　巻陽向（まきひなた）（20歳-男性）
　　　　…大学２年生。来島の大学の友人。来島のことが好きらしい。

※上記３名の他、駅のアナウンス（台詞のみ・録音可能）が入る場面があります。

　　　　幕

　　　　織浜駅のホーム（１面２線）。舞台手前が下り、舞台奥が上りの線路。
　　　　12月上旬の木曜日、23時半頃。晴れているが冷え込む夜。

　　　　望月が下り電車の列に並んでいる。
　　　　スーツ姿（Ｙシャツに地味な色のベスト）の上に、コートとマフラーを身に着け、リュックを背負っている。
　　　　疲れた様子。
　　　　イヤホンを耳につけ、うつろな表情のまま、スマホから音声を聴きはじめる。

　　　　次の会話をしながら、私服姿の２人組の若者（来島、巻）がやってきて、上り電車の列に並ぶ。
　　　　その間、望月はずっと音声を聴いている
　　　　巻は何度か後ろを振り返り、望月の様子を気にしている。

来島　　　ねー、書いた？　レポート。
巻　　　教育思想史？
来島　　　きつくない？　レジュメじゃ埋まんなくない？
巻　　　書けたけど。
来島　　　マジ？　むずすぎて、図書館行ったけど、文献全部むずくて
巻　　　真面目やん。
来島　　　バカなだけですー！
巻　　　何故キレる。
来島　　　あー、帰ったらやるか。
巻　　　寝ろよ。
来島　　　明日、ショウタの誕生会だし。
巻　　　誰。
来島　　　弟。
巻　　　ああ。おめでとうございます。
来島　　　明後日もシフトだし、実質今日しか。
巻　　　もう日付変わるよ。（頭上を指す。視線の先に電光掲示板がある）
来島　　　うわ、遅延やば。
巻　　　はぴばー。
来島　　　詰んだー。
巻　　　 ……手伝う？
来島　　　いい！　自分でやんないと意味ないし！
巻　　　真面目やん。
来島　　　バカなだけですー！
巻　　　だから何故キレる。

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