極道でも夢がみたい!
「極道でも夢がみたい!」

鬼熊 朱里(おにぐま あかり)・・・鬼熊家の一人娘。
綾小路 永蓮(あやのこうじ えれん)・・・綾小路家の一人娘。
市川 由紀(いちかわ ゆき)・・・永蓮のファン。
鬼熊 詩織(おにぐま しおり)・・・朱里の母。(父にする場合は 鬼熊 武蔵)
西村 莉央(にしむら りお)・・・鬼熊組の下っ端。



〇駅前広場
   永蓮、歌っている
   由紀、立って歌を聴いている
   永蓮、歌い終わりお辞儀をする
   由紀、拍手をする
永蓮「ありがとうございました!」
由紀「いやぁ今日の永蓮ちゃんも最高! よっ日本一!」
永蓮「もう由紀さん恥ずかしいんでやめてください……」
由紀「あっそうだ、差し入れ持ってきたんだった。はいこれ」
   由紀、ビニール袋を永蓮に渡す
永蓮「ありがとうございます! そろそろ最後にしようと思うんですけど、何かリクエストとかありますか?」
由紀「えっいいの⁉ じゃあ――」
莉央(声のみ)「ねえさ~ん!」
由紀「うん?」
   朱里、走ってくる
朱里「はぁ、はぁ……ごめんちょっとそれ貸して!」
   朱里、由紀の帽子と永蓮のマイクを奪い歌う
   莉央、走ってくる
   詩織、歩いてくる
莉央、歌う朱里の前で立ち止まる
   詩織、莉央の頭を叩く
   莉央、詩織に謝罪し再び走り出す
莉央「ねえさ~ん! 朱里ねえさ~ん!」
   莉央、詩織、通り過ぎいなくなる
   朱里、歌うのをやめ辺りをうかがう
朱里「はぁ~、なんとか乗り切った~! ……あっごめんなさい、勝手にとっちゃって!」
   朱里、帽子とマイクを返す
永蓮「いえ……」
由紀「大丈夫? 追われてるみたいだったけど……」
永蓮「警察に通報したほうがいいんじゃ――」
朱里「いやいやいや大丈夫です! ただの親子喧嘩みたいなもんなんで!」
永蓮「親子喧嘩……?」
由紀「には、見えなかったけど……」
朱里「本ッ当に大丈夫なんで! じゃあ私はこれで……」
   朱里、去ろうとする
由紀「待って!」
   由紀、朱里の腕をつかむ
朱里「わーすみませんすみません! 指でもなんでも詰めますんで命だけは!」
由紀「怖いこと言わないで⁉ 違うから!」
朱里「えっ違う⁉」
由紀「そうじゃなくて、さっきの歌……」
朱里「歌⁉ あっもしかして歌うのに使用料とかいる感じですか⁉ いくらですか払います――」
由紀「すっごく上手だった!」
朱里「へ?」
由紀「もぅお姉さん感動しちゃった! ねっ永蓮ちゃん! すごかったわよね!」
永蓮「はい、寧ろお金を払わないといけないのはこっちのほうで……」
朱里「いやいやそんな! 私なんて本当に素人で……!」
由紀「ねぇ、もしよかったら、さっきの曲もう一度歌ってもらえない?」
朱里「えっ! いいんですか?」
永蓮「私のことは気にしないでください、いつも歌ってるし……私もぜひ聴きたいので」
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