警部と刑事の珍問答
『警部と刑事の珍問答』
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刑事:「あ、警部、お疲れ様です。」
警部:「うむ。ご苦労。ガイシャは?」
刑事:「こちらです。」
警部:「女か・・・。身元は?」
刑事:「半田葉子、23歳。デパートで働いています。」
警部:「一人暮らしか?」
刑事:「はい。どうやら地方から出てきているようで、
刑事: 家族は北海道だと・・・。」
警部:「そうか。それで、死因と死亡推定時刻は?」
刑事:「死亡推定時刻は昨夜10時から12時頃。
刑事: 頭部を鈍器のようなもので殴られたようです。」
警部:「凶器は?」
刑事:「まだわかっていません。」
警部:「ふむ。交友関係の方はどうなってる?」
刑事:「今、洗っているところです。」
警部:「そうか。ん?この写真は?」
刑事:「恋人・・・ですかね?」
警部:「たぶんな。この写真の男の身元を調べてくれ。」
刑事:「わかりました。」
警部:「鑑識からは何か出たか?」
刑事:「いえ、まだ・・・。」
警部:「そうか・・・、鑑識からは本当に何も出てないのか?」
刑事:「はい、何も言われてません。」
警部:「凶器が何かとかも?」
刑事:「はい。」
警部:「そうか。・・・この、目の前に落ちている壺、の破片?
警部: これ、凶器じゃないの?」
刑事:「え?これ、凶器ですか?」
警部:「いや、そうかなぁ~って。割れてるし。
警部: ガイシャ、頭から血流してなかった?」
刑事:「さすが警部!なぜそのことを?」
警部:「いや、ツボ割れてるし、その近くにガイシャが倒れてた痕あるし。
警部: 死因は鈍器で殴られたって言ってたし。
警部: え?普通、そう考えるよね?」
刑事:「さすが警部!自分には思いつきもしませんでした!」
警部:「あ、そう。そっか。うん、たぶんこれが凶器。うん。
警部: ・・・でね、あそこにいる鑑識、あれ、新人?」
刑事:「あ、はい。今日かららしくて、すごく頑張ってます。」
警部:「そう・・・。その写真、もっかい見せて。」
刑事:「はい、どうぞ。」
警部:「・・・あいつじゃね?この男、あいつじゃね?」
刑事:「え?なんですって?この写真の男が鑑識のあいつ?
刑事: 本当だ!さすが警部!自分、全然気がつきませんでした!」
警部:「あいつ・・・、後で事情聴取ね。
警部: ・・・あれ?もしかすると、これ、もう事件解決かも?」
刑事:「え!?警部、もう犯人の目星がついたんですか?」
警部:「え?お前、まだ目星ついてないの?」
刑事:「そうですね・・・。自分、これは、他殺じゃないかと・・・。」
警部:「え?そこから?そこからなの?」
刑事:「え?警部はもう全てをわかっているんですか?」
警部:「だって、この壺が凶器なら、ただ落ちてきただけじゃ死なないでしょ。」
刑事:「なるほど。ということは、凶器は別のものということですね?」
警部:「え?どうしてそうなるの?」
刑事:「え?だって、これじゃあ死なないって警部が。」
警部:「落ちてきただけじゃ死なないって言ったの。
警部: これで思い切り殴られたら死ねるでしょ?」
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