busを待つ朝
■タイトル:busを待つ朝   著:つむぎ日向

■あらすじ
 ある日の朝。横断歩道を挟んだ二つのバス停。
 バスに乗り遅れた男……旅に出る女……人を探す男……彼らは重ならないはずの場所で出会った。

■登場人物(※役名は仮)

・男1 : スーツ姿のサラリーマン。

・女1 : キャリーバッグなどの大荷物を持った女性。

・男2 : 紙袋だけを持った、薄着の男性。

・女2 : 仕事に行く途中の女性。




■1

    開幕。
    暗転中、バスの停車音・ドアが開く音が聞こえる。
    程なくしてドアが閉まり、バスの発車音が聞こえる。

    明転。
    朝のバス停。
    中央には横断歩道があり、上手と下手にバス停とベンチが置かれている。

    上手からスーツ姿の男1が、バッグと新聞を持って走ってやって来る。
    横断歩道を渡り、下手のバス停に到着するが、バスに乗り遅れた男1。

男1 「はぁ……」

    男1は落胆しながらも、ベンチに座り新聞を広げる。

    上手に女1が、キャリーバッグを引きながら現れる。
    男1と同じように、横断歩道を渡り、
    下手のバスの時間を確認してから、ベンチに座る。
    お互い軽く会釈をし、ベンチでバスを待つ二人。

    優雅に新聞を読む男1。
    何度も時計(スマホでも可)を確認する女2。
    その様子が気になり、男1は女1に話しかける。

男1 「バスなら来ないかもしれませんよ」
女1 「え?でも、次のバスは15分後って書いて……」
男1 「そうなんです。確かにここのバスは、朝の通勤時間には15分間隔でバスが来ることになっています。しかし、私は先週も同じように一本前のバスに乗り遅れました」
女1 「はぁ……」
男1 「その時は「まあ、15分後には次のバスが来るし、大丈夫だろう」。そう考えました」
女1 「来なかったんですか?」
男1 「いえ、来ましたよ。でもそれは15分後ではなく、16分でも17分でも、勿論14分後でもなく……30分後でした。それはもう遅れたのではなく、一本飛ばして次のバスが来ただけですよね?」
女1 「確かに……」
男1 「だから私は運転手に言ったんです。なんで遅れたんだ?って」
女1 「運転手はなんと?」
男1 「「寝坊しちゃって〜」そう言われました。私は言葉を失って、何も言い返せませんでした」
女1 「それはそうですよね。だってそんなありえない事を言われちゃ」
男1 「いえ、違うんです」

    男1、女1の言葉を遮って続ける。
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